という感じに、福袋みたいな感じでしてみました。
え、そんなことはどうでもいいから早く情報を紹介しろと?はいはい。
というわけで、今後イランに行く方向けに知っておくべき事を、私の経験を交えて書いていきたいと思います。
イランという国は多くの部分が日本とかなり異なっており、知っておかないと大変なことになります(これマジ)。
その一 ATMとクレジットカードが使えず、トラベラーズチェックも通用しない。
嘘みたいな話しですが本当です。ATMとクレジットカード(主にVISAとマスターカード)は世界中で使用できるため、勘違いしてしまうかもしれませんが、イランでは別。場所関係なく全く使用できません。理由はアメリカの経済制裁によるもの。アメリカにとって、これらの国際的な金銭のやり取りによって国が潤うのを阻止する必要があるからなんです。
ATMもクレジットカード自体も一応国内にありますが、ほぼイラン人専用であり、我々外国人は利用することが出来ないのです。ATMをよく見ると、国際キャッシングサービスのPLUSマークがないのが分かるかと思います。「機械自体はあるのに…」と何度も悔しい思いをしました。一応あらゆる場所のATMを試してみましたが、全て撃沈でした。イスファハーンのターミナルでカードが出てこないトラブルが起き、係員に抜いてもらったこともありました(そのついでに出てこなかったであろう、他のカードが一緒に出てきたときは笑いました)
「じゃあどうすれはいいんだ!」ということだが、もちろん、分かりますよね。
「クレカとATMがないなら現金でやりくりすればいいじゃない」です。
「イラン人はなんて原始的なんだろう….」と思うがそこは我慢我慢。
イスファハーンなどの観光地の土産店の一部では、VISAとMastercard等が使えるところがあるみたいですが….
万が一、その事実を知らずにイランに入国すれば、当然困窮するこは言うまでもありません。
イラン入国前にすべきことは、
・日本あるいは入国前に滞在している国の換金所でドルかユーロにする。(皮肉なことに米ドルが一番良いという)
・現金を多めに持って入国すること。(必須!!)
・多めに持っていく事を考え、現金を分散するための準備をする。
です。「海外で大金を持ち歩くのは怖いなあ」と思うが、国際キャッシングサービスが利用できない以上、そうするしかありません。
過去に他の旅行先と同様にキャッシングサービスが使えると思い込み、そのまま入国したことによって困窮を極めた日本人旅行者がいたようです。大使館HPでも注意喚起しているぐらいなので、滞在するのに十分なお金を用意しましょう。
その2 服装の制限が厳格。その法律は外国人にも適用されている。

私の写真で(不特定多数に見られることを考えて顔は隠しています)申し訳ありません。このように我々外国人を含む女性は全員スカーフかヒジャブで頭と髪の毛を隠す必要がある。法律ですから。
イランで一番厳格とも言えるのが服装。この国はイスラームの戒律によって成立していると言っても過言ではありません。
この事を知らないで入国すると…..あとは分かりますね。
女性ならば、肌を露出した服装はもちろん、体の線が分かるようなものもNG。頭にはスカーフやヒジャブで髪の毛を隠し、長いコートを着用することが義務付けられています。これは飛行機が空港の滑走路に着陸した時から適用されます。もちろん我々非ムスリムの外国人もみんな、です。女性の皆さんは着陸前には必ずスカーフを巻いて入国のスタンバイをしましょうね。男性も、タンクトップや半パンはNG。
「じゃあスカーフはいつ脱げばいいのか」
という質問も出てくるとは思っていました。私も最初はそのラインが分かりませんでしたが、公共の場(具体的に言うと、人の目につく外)は着用、宿の部屋に入ったら脱ぐ、と言った感じでした。要は、スカーフを着用するタイミングは「宿の部屋を出たとき」、です。
こんな感じに書くとがちがちの学校の法則のようになってしまいましたが、実際は特に若い人は長いコートとスカーフは着用しながらも少し着崩したり、中にはスカーフがずれて頭が半分見えていたり上に乗せただけの人もいました(笑)
もちろん頑なに全身真っ黒の人もいますが。
厳しく制限されているはずのイランのファッションは色とりどりで多様性に富んでいた、ということは意外でした。
「理不尽な恰好をさせやがって」と思うでしょうが、イスラーム圏特有のスタイルを楽しむのもアリだと思いますよ。バサールでのスカーフ選びも楽しくなるし、何となく守られた気分になります。「守られた」とは言いましたが、本来、ムスリムの女性がヒジャブやら、チャドルやらで体を隠すのは女性を保護するということが目的らしいです。
その3 娯楽が驚くほど少ない。

イスファハンのチャイハネ。イラン人にとってチャイと親しい友人とのおしゃべりを楽しむ場所。
イランという国は想像以上に楽しく、ハマってしまうとても魅力的な国でした。
だがしかし、最大の欠点は娯楽が極端に少ないこと。イラン来て唯一不満な部分です。なぜなのか。
1 飲酒ができない
これに付きます。酒ありきの旅をしてきた私にとって最大の苦痛でしたね。
理由はもちろん、イスラームによる戒律。イランでは飲酒はもちろん、酒の販売や国内への持ち込みも禁止されているのです。そのため、売店やレストランには一切扱われていないのです。私は酒が飲めない悲しみを打ち消すために、ノンアルコールのジュースで飲んだつもりにしてました。
もちろんこれにはメリットもあります。酒自体がないのでもちろん、酔っ払いに絡まれる等の酒がらみのトラブルに遭うこともなければ、飲みすぎによって貴重な一日が潰れて旅が台無しになるというもまずありません。しかも肝臓にも優しい。おかげさまで滞在中に肝臓を休ませることができました。
2 そもそも娯楽施設がない。
旅人の中には海外のクラブに行って楽しんだり、バーでおしゃべりをする人もいるかとは思います。それがね、イランではクラブもなければバーもないんですよ。多分イスラームの戒律に基づいてふさわしくないと判断されたのでしょう。
なので、夜は大人しくするしかありませんね。
3 ネット環境が悪い
「外でやることがなければネットすればいいじゃん」
と思うでしょう。それがね、イランはネット環境が悪いうえにSNSも制限されているんですよ。Wi-FiあってもVPN繋げても遅かったり、一部コンテンツは見れなかったり。私もこれに一番悩まされました。そして一番悔しかったのは自分のホームページが見れなかったこと。公開済みのHPが見れないのだから当然ブログの更新もできませんでした。なので今せっせと公開しているところなんですわ…..なんせ敵国イスラエルを本社に構えるWIXでサイト作っていますからねえ…当たり前か。
という感じで娯楽が少ないということがお判りでしょうか。
「じゃあイラン人は何をしているんだ」と思う人も当然出てくるでしょう。
これは私の勝手な想像ですが、イラン人は紅茶を飲みながらおしゃべりをするのが好きなんだと思います。彼らの社交的な一面を見るとそんな感じに思えるのです。後は家族とそろって団らんをしたりとか。家族を一番に大事にする面を見ればね。きっと人とのふれあいを大切にしているのでしょう。
その4 規制により利用できないサイトやSNSがある。
意外と不便だと思った部分の一つですね。これもイラン政府によるネット規制によるものです。国も都合の悪い情報が入ってこないようにするためだとか。一般ぴーほーにとっては大変迷惑なことっす。
しかも、我々が普段使用しているTwitterやFacebookも規制の対象に入っていますが、なぜかインスタグラムやLINEは利用できるらしく、インスタが大流行するのも必然的ですね。
その代わり、イラン人はインスタやLINEの他にテレグラムやWhat’s appをよく使います。アカウント交換の時は必ずこの二つを求められます。特にWhat’s appはLINEが主導権を握っている日本ではメジャーではないが、海外ではLINE以上によく使われている連絡ツールとなっています。国際交流が盛んな人は日本人でも使っていますね。
旅人や国際交流をしている人はアカウント取得しても損はないですよ。「What’s appやってるよ」といったらとても喜びます。
イランで利用可能、不可能なSNSとクラウドソーシングをよく使われるものを中心に簡単にまとめてみました。
Twitter → ×
Facebook → ×
Instagram → ○
LINE → ○
Skype → ○
Google系 → ○
ライブドアブログ → ×
WIX.com → ×
iMessage → ○
Googleの場合、かつては見れなかったらしいが最近になって解禁になったようです。試しにググってみたら普通にできました。Gmailも問題なく使えました。また、SNS意外でしたらアダルト系や軍事関係のサイトも閲覧できないようになっているようです。
規制から抜け出す方法として、VPNがあります。VPNは、バーチャルパーソナルネットワークの略。つまり、仮想ネットワークであり、ネット規制によって見れないサイトを見れるようにするサービスです。中国やイランなどのネット規制がある国に来ている旅人がフィルターをくぐりぬめるために駆使しているようです。ですがこれも本来は違法。なので本当なら何もせず、我慢するほうが無難ですね。
その4 移動には長距離バスが便利
イランの一般的なバス。長距離用のバスは新しく、綺麗。バスは。

写真のような趣味の悪いバスも時々見かける。
イラン国内での移動にはいろいろ手段がありますが、一番便利なのが長距離バスです。
しかもイランのバスは、とても清潔で非常に快適な上、コストパフォーマンスにも優れています。最初に利用した人はまず、そこに驚くかとは思います。
イランのバスには普通バスとVIPバスの二つの種類があります。
普通バス
ごくごく普通の長距離バス。値段は超安い。多分900円もない。付加サービスはなし。
VIPバス
普通と違ってグレードアップしている。少し高くなるがシートが広く快適。軽食やお菓子、ジュースの無料サービスが付くのが一般的。バスによってはWi-Fiやテレビが付いていることも。値段は会社によるが1000円~2000円程度。
また、イランには多数のバス会社があり、値段とサービスなどを比較しながら購入することが可能。主にHamsafarやSeiro-Safar、Asia Safarなどの会社が主流です。
バスのチケットはすべてペルシャ語なのである程度単語は覚えといたほうが楽です。
乗車時はドライバーが行先を大声で言ってくれるので探すときに苦労はしないかと思います。バスの前で大抵「イスファハァァーン!イスファハァァーン!」と言った感じで叫んでます(笑)
バスは快適ですが、一方で防犯面での不安はあります。寝ている隙に金銭を盗られたりすることもあるようなので、貴重品の管理には気を付けることですね。
その5 交通マナー最悪&違反者多数

シーラーズの要塞前の道路。地方でも道路はかなり混雑している。
イラン国内で気を付けたいのが、道路の状況。この国の交通ルールは芳しくなく、マナーがなっていない者が多いです。
そのため、交通事故による死亡率は日本の20倍、世界基準をはるかに超えるほど、国内で社会問題になっています。
横断歩道(ほとんど機能していない)があろうが、人が通ろうがお構いなし。オートバイや車は容赦なくぶっ飛ばしていきます。危ないですね。人が通れば「どけどけー!」と言わんばかりにクラクションを鳴らしまくる車も多いため、道路は大変賑わっています。
・急な車線変更も普通。間が空けばお構いなしに割り込んでくる。
・あり得ないほどのスピードでぶっ飛ばす。特に高速道路では顕著。
・オートバイが歩道を走るのもスタンダード
・人がいようが関係なしに割り込み駐車をする
・傷やへこみがある車が多い(一般車、タクシー関係なく)。
おそらくほとんどの車が何らかの形で事故っているということですね。
イランでは超が付くほど車社会。そのため、事故をしても歩行者の責任となる。そこが日本とは異なる部分ですね。我々歩行者の方が気を付けないといけないことが多いということです。ではどんなところに気をつけるべきなのでしょうか。
・道路を横断するときは車やオートバイに気を付けながら渡る。横断歩道でも同様。ジェスチャーで「止まれ」と示すのもあり。
・歩道でも常に周囲を警戒する。事故だけでなく、オートバイによるひったくりの可能性も考慮に入れる。
・無理矢理渡ろうとしない。急に車やオートバイが突っ込んでくるかもしれないから。
以上ですね。「こんな状況で歩行者はどうしているのか」と疑問に思うかもしれませんが、現地人は器用に上手いこと避けながら渡っていました。真似はしないほうがいいかもしれませんが。私は最初に来たときは渡るタイミングが分からず、身動きができないこともありました。
その6 大気汚染にご用心

バスから眺めたテヘランの街並み。空をよく見ると黄色く霞んでいる。山の境目が分からなくなっている。
イランでは近年、交通量の急激な増加によって大気汚染が深刻化しています。
特にテヘランでは顕著で重厚なマスクをしている人もいました。そのため、心臓疾患がある方や喘息持ち、喉が弱い方は特に気を付けたほうがいいかもしれません。
実際、私が行った時も山奥が見えないほど空が黄色くかすんでいました。街中どこ行っても排気ガスの匂いが充満していましたね。テヘランは特にひどい。
その原因は、燃費の悪い中古車を運転しているドライバーが非常に多いことのようです。たしかに、イラン国内で見かける車のほとんどはボロ車でしたし、新しいものを見ることがなかった気がします。
汚染がひどいときはマスクを着用したり、目がやられる可能性もあるから目薬もあったほうがいいですね。
それでは。