2017年12月29日 イラン・シーラーズ 色とりどりなイラン

イラン

シーラーズ二日目も、朝からサミラと一緒に散策することに。

その前に、明日のテヘラン行きのバスのチケットをフロントで予約してもらおうことにしたが、この時Wi-Fiのルーターが故障してネットが使えなかったため、オンライン予約ができなかったらしい。フロントのお姉さんがバス会社に電話し、紙に行先、日時、購入する場所を書いて渡し、「明日、これをバスターミナルのチケットカウンターで見せなさい」と言った。めんどくせぇ….まあ、ネットがつながらない以上仕方がないが。その間に席が無くなったらどうするんだ。

この日はシーラーズ来て一番行きたいと思っていたマスジェデ・ナスィーロル・モスク(通称カラフルモスク。めんどいので以下はこの名称で)に朝一に行くことに。インスタのDMでサミラに「カラフルモスク連れてって」とメッセージを送ったので連れて行ってくれることに。この日も約束の時間よりも15分早く来てくれた。

この日は金曜日、イラン(に限らずイスラーム圏では)では安息日、つまり休日に当たる。そのため、多くの店が閉まるのだそう。モスクが空いているかどうかが心配だったが、ここは営業するという。よかった。カラフルモスクの見所はなんといっても、日の光がステンドグラスを通して差し込むことで作り上げる幻想的な光景。ベストタイムは早朝から午前中。そのため、この時間帯は多くの観光客でいっぱいになる。開館は7時半だが、その絶景を一目で見ようと開館前からすでに行列ができるらしい。ということはここに来る人は大体同じことを考えているということやね。このモスクは朝の部と昼の部に時間が分かれている。朝日が差し込むことを考えて設計されたらしく、昼を過ぎるとこの光景が見れる確率は低くなる。

 入り口、ピンク色をもとにしている。入り口付近は一見するとあまり目立たないので通り過ぎないように。

入場料は200000リアル(600円)とやっぱり高い。ピンクモスク内は土足厳禁。

 まずは天井から。

 

 ついに念願のカラフルモスクへ。やっぱり期待した通り、ペルシャ絨毯には幻想的な自然のアートが完成していた。しかし、ご覧の通り、すでに人でいっぱいで台無しになりました。

 

しかもみんな写真撮影に夢中で中々どかない。でもモスクは綺麗。

 

これを設計した人は本当に天才過ぎる。うんヤバイ。

 

シーラーズはカラフルなステンドグラスの建物が多い。

 

ずっとここで寝転んでおきたいですね。生きててよかった!

 

 外は庭園になっている。モスクの基本的な構造。

 

外から見たカラフルモスク。

 

ここにもオレンジの木がなっていた。

 

左は博物館になっている。

ピンクモスクを後にし、サミラはこの後大学に用事があるということでここでお別れ。忙しい中ありがとう!またいつか!

彼女とお別れをした後は一人で寂しくタクシーでエラム庭園に行くことに。

 

 入り口付近。冬なのにそれなりに人がいた。入場料は200000リアル。どいつもこいつも高い、高すぎておこだよ。観光客の財布に殺しにかかってきてますぜ。タクシー(宿で呼んだ)の運ちゃんは見終わるまで待ってくれるという。

 

ここはバラ園らしいが季節が季節なのでただの荒れ地にしか見えない。来る時期を間違えたとしか言いようがない。

 

夏になるときっと映えるんだろうなあ。

 

ここは季節関係なくよかった。

ちなみに、ここにもペルシャの民族衣装を試着して写真撮影ができるというグラバー園みたいなサービスがあるらしい。冬というのもあってやっている人は誰もいない。民族衣装好きの私にとってはたまらないが、その中で派手な衣装を着て歩けば間違いなくアウェー感を嫌というほど味わう羽目になるのでやめた。

植物のアーチ。なんというか、ショボい。

 

この辺になると人がほとんどいない。

 

 夏になればきれいなのかな。

 

イランには緑のない禿山が並んでいる。この国は砂漠のイメージが強いが、実は山がちで標高の高い都市もある。

 

これ見せても「エラム庭園」というまで分からないだろうなあ。

花もなかったので、わずか30分で見終わった。タクシーに戻り、「早いね」と言われた。

 

金曜日というのもあり、商店街はこの通り。店も多くが閉まっているので昨日に比べて活気もない。混雑している道路も落ち着いている。しかし、ご安心を。すべての店舗が休業しているわけではないので買い物には支障はない。バザールはほとんど閉まっていただ。

 

昼食。少し高めのレストランに入ってしまった。羊の肉を頼んだのにビーフが出てきた。それでも日本円で700円ほどでラーメン並の値段。

暇だったので営業している数少ない店の一つであるアクセサリーショップに立ち寄った。ここのオーナーである男性に日本から来たことを伝えると「日本から来たの?!よく来てくれたね!せっかくだから記念写真を撮ろう!」と言い、スマホでツーショットセルフィーをパシャリ。そこで、しばらく話しようということで店のカウンターの中に入れてくれた。まるで一緒に店番をしているみたいになっていた。インスタのアカウント交換から始まり、今まで行った旅先についていろいろと話した。

彼(以下ムハンマド)の本業はシステムエンジニアらしく、たまに店番をしているのだという。英語はあまり得意ではないと言い、Google翻訳で自分の言いたいことを書いて見せてくれた。かつてGoogleが利用できなかったイランだが、今となっては自由に使いこなしている人が多い印象。少しは進歩したのかなこの国も。年齢は25歳と私と同い年だった。

この店には結構長くいた。客がいないときに話、客が来たら中断するの繰り返し。この店、小さいがお客は結構来ていた。

ニーナシュにしてもらったように、ペルシャ語で何か書いてもらおうと、メモを出した時、フロントでもらったバスチケットについて書かれた紙が一緒に出てきた。するとこれを見たムハンマドが、「バスのチケットを買いたいのかい?テヘラン行きの明日出発の分だね」と言い、さらに「もし買っていないのであれば、バスターミナルまで連れて行ってあげるよ。」となんと、チケットのためにターミナルまで行ってくれると言い出したのだ。

店に来てから2時間ぐらいたったころ、一旦宿に戻ることを伝えると、「夜この店が閉店した後、バスターミナルに行った後一緒に散策しないかい」といい、夜の7時ぐらいに約束をして別れた。

宿に戻ると、新しい利用者がやってきた。フロントにアジア人らしき男性がいたが、手元を見ると『地球の歩き方』を持っていた。日本人だ。フロントのお姉さんが私を指さし、彼に「あそこにいる女性日本人だから彼女に聞きなさい」というと、振り向いて「日本人?!めずらしい!」と驚いた様子。お互いに自己紹介した。部屋も一緒だった。夕食に誘ってくださったが、あいにくムハンマドとの先約があったので断念。だが、店までは一緒に歩いた。

7時ごろに再びムハンマドと再会。彼が店じまいをした後、「どうやって行くの?」と聞いたら「僕のバイクだよ。」と返答。なんと、オートバイ!まさかのオートバイ!今まではバスとか、車が主流だったが、バイクは初めて。彼の店の前に停車していたオートバイにエンジンをかけ、「じゃあ後ろに乗って。ちゃんと僕の肩につかまるんだよ」といい、さらに、「運転中は寒いから手袋も貸すよ」といってグローブも貸してくれた。後ろに乗ってさあ出発!まさか人生初のバイクをイランで経験するとは…

最初は少し怖かったが、いい感じに風を切って気持ち良かった。ライバーっていつもこんな感じなのかな。しかし、彼の言った通り、やはり寒かった。事故ることなく、カランディッシュ・バスターミナルに到着。私が購入するチケットはHamsafarというバス会社。そこのカウンターに行って購入する必要があった。彼も同席し、ペルシャ語ですべて対応してくれた。600000リアル(約1819円。距離が遠いというのもあり意外と高い)を支払ってチケットは無事にゲット。ありがとうムハンマド!

用事が済んだのはいいが、その後何をするかは決めていなかった。いったん市内に戻り、要塞近くのベンチで停車。

この一帯はすべてアイスクリーム屋。ムハンマドがアイスを食べようと言い、一人で店に入って買ってきてくれた。

 

バニラアイス。トルコアイスみたいによく伸びる。ホワイトチョコみたいな何かが入っていた。寒さに凍えながらベンチでおしゃべり。趣味の話になり、「読書が好き」といったらムハンマドが「本読むのかい?!僕は本はあまり好きじゃないんだ。つまらないからね。それにイラン人は読書する人ほとんどいないよ。勉強熱心じゃないんだ(笑)」と聞いてびっくり。日本でも最近は本を読む人が減っていると嘆く声があるが、イランではそれ以上のようだ。 なるほど。どうりでどの都市のバザール行っても本屋を見かけないわけだ。本当にないよ、本屋。「じゃあイラン人は何をしているの?」と聞いたら、「彼らはアクティブに動いたり、チャイを飲みながら家族とおしゃべりするのが好きなんだ」と。

彼との時間もここで終わり。明日はペルセポリスに行くために早く起きないといけないことを伝えたら、宿まで送ってくれた。

玄関に着いてお別れをした。わずかな時間だったけど楽しかったよ、ありがとうムハンマド!

この後、例の日本人と部屋で再会。外でレストランを見つけることができなかったらしく、結局宿で食べたらしい。

次はペルセポリス版をお送りします。