2017年3月2日 クロアチア・ザグレブ日帰り【2023年9月一部更新】 

ザグレブの通りの一つ クロアチア

3月1日夜、モロッコ人のイェシンと別れ、予約したタクシーに乗車した。向かった先はバスターミナル。時間はすでに21時を過ぎていた。

ターミナル到着後、あらかじめコピーをしたバウチャーを窓口で見せた。ここの窓口のおっさんがなぜか超ふてこく、無愛想であった。提示した後、突然「1マルク!」と怒鳴りつけるように言った。どうやらサラエボのバスターミナルでは、バスに荷物を預ける場合1マルクを支払う必要があったのだ。当然私のバックパックは対象だった。その時1マルクぴったりなかったので10マルク札を支払い、投げつけるように釣り銭を返してきた。渡し方があまりにも雑だったのでコインが何個か落ちた。私、あなたに気に障るようなことしました….?まあ、こういう対応はもう慣れてるから別にいいんだけどね。

22時、ザグレブ行きのバスは出発。この時乗ったバスは何もないが割りと快適だった。ボスニア・ヘルツェゴビナの旅はこれで終了した。バスはちょくちょく停車し、その度に人が乗ってくる。その時、国境審査官らしき職員が乗ってきた。左腕に国旗のワッペンと背中にキリル文字で「グラニッツァ」と書いていたのですぐに分かった。しかし、この職員の行動がちょっとおもしろかった。

最初は普通にスマホをいじっていたのだが、しばらくすると靴を脱ぎ、椅子2つを占領して寝始めたのである。しかも普通に立派ないびきをかいていた。こうしてみると厳格に見える彼らも人間なんだなあとしみじみ感じた。

 私も眠くなったのでそろそろ寝ようかと思い、背もたれを倒そうとしたが、中々倒れない。バーが固いだけだと思い、何度も試したが倒れない。泣く泣く諦めようと思った矢先にさっきの例の審査官が「この席のは壊れてるから隣行け」と、バーを動かして倒してくれた。すると、ちゃんと動いた。どうやら本当に壊れていたようだ。安心して何とか眠りについた。しばらく熟睡していると、「グラニッツァ」と言われて審査官に起こされた。国境に到着したらしい。いよいよクロアチアだ。

 パスポートを提出し、返却された後に入国審査のためにバスを降りる事になった。審査の時はワクワク感と同時に緊張もする。なんとか無事にスタンプは押され、クロアチアに入国した。

 午前6時、ザグレブのバスターミナルに到着した。外はもう明るくなりつつあった。荷物預かり所でバックパックを預かり、市内中心地に向かうことにした。

 

バスターミナルから中心地まではそう遠くない。比較的スタンダードな西欧的建造物が立ち並ぶ。これまで行った国々に比べて雰囲気が良く、整備されている感じがする。そして何より、今までの国では当たり前だった野犬がいない。なんですばらしい。

 と思ったが、でもここ最近、こうした町並みや安定した雰囲気に少し飽きつつあったのだ。これはこれで贅沢なのかもしれない。

 

 

敷居の高そうな韓国料理屋を発見。平壌冷麺とか食べられるのかな。

 

そしてもちろん、日本料理店もちゃんとある。

 

長時間の移動でお腹が空いていたが、まだ早朝のため店のほとんどが閉まっていた。お昼までしばらく散策することに。

 

ここはイェラチッチ広場。クロアチア人の待ち合わせスポットとなっている。日本でいう渋谷の忠犬ハチ公前のようなものだろうか。騎馬像はクロアチアの英雄ヨシップ・イェラチッチ。早朝なのでガラガラ。通勤中の人が目立つ。

 

イェラチッチ広場からさらに北に進むと、ザグレブ大聖堂が見えてくる。ザグレブを代表する歴史ある大聖堂だ。一部修復中だったのは残念だが。

 

なぜかこういう狭い路地を見つけると写真を撮りたくなってしまう。

 

ザグレブ大聖堂の付近。まるで絵本に描かれたような風景。

もちろん市場もある。ドラツ市場には青果物をはじめ、工芸品やはちみつ、花、日用品も売られていた。見ているだけで楽しい。 昼になると人でいっぱいになる。

 

トゥカルチェチェバ通り(?)にはパブやレストランなど様々な店が並んでいた。

クロアチアの国旗。どこの国行ってもそうだけど。国旗を見ると改めて「その国に来た」という実感がめっちゃ湧く。

しばらくあるくと見えてきたのが、ザグレブの超有名な聖マルコ教会だ。 モザイク模様が目立つ。その近くには校外学習中と思われる小学生の集団が散策をしていた。また、日本人らしいアジア系の人もちらほら見かける。

そしてさらに歩くと近くに石の門が見えてくる。ここはちょっとした教会になっており、クロアチア人の祈りの場になっている。そのため、神に祈りを捧げる人々でいっぱいだった。石壁には多くの感謝の言葉が刻まれていた。

 

石の門を出た後、上の方へ向かうことに。道路には多くのティーンエージャーたちが歩いていた。よく見ると近くに学校があり、お昼休みのようだった。年頃の5人の女の子たちが楽しそうに喋っていた。そしてめっちゃ大笑いしてた。きっと何かが面白かったんだな。女子中高生たちのやることは万国共通である。

 

すると、ザグレブの町並みを一望することができる。残念ながらこの日は曇り空だったが、赤レンガの屋根が並んだ美しい景色を堪能できただけでも十分である。

いい加減お腹が空いてきた頃なのでトゥカルチェチェバ通りに戻って昼食に。

 

金欠だったので肉は諦め、迷った挙句1番安い普通のパスタにした。でもこれが大当たりで絶品だった。そして昼からクロアチアの1番ポピュラーなビールであるオジュイスコをキメた。ビール最高。

 

近くにはカレー屋があった。 でもなんだかコンセプトが良くわからない。

 

築百年ぐらいだろうか。こうした古びた建物も多い。

 昼食後、お決まりの歴史博物館に行くことに。この日は特別展示で19世紀の歴史家であるイヴァン・ククリェヴィッチ・サクシンスキ関連ものだった。クロアチアでは彼がクロアチア人のアイデンティティの創設者とされているのだそう。

イヴァン・ククリェヴィッチ・サクシンスキ

出入り口で入場料を支払った後、案内役が誘導して英語で説明をしてくれた。

サクシンスキの生い立ちからクロアチアのアイデンティティに関する展示ももちろんあった。ここで一風変わったものがあった。それはマネキンの頭部分が3D映像になっていてサクシンスキが映っており、しかも口が動いて喋るのだ。中々ユニークであるが遊び心を入れているのがなんだか良さである。他にもポートレートや家系図等も見れる。特別展示が意外と面白く、気がつけば二時間も滞在してしまった。時間は16時前だった。ブダペスト行きのバスが17時発なので大変だ。

博物館を後にし、すぐさまバスターミナルに向かった。行きの時は近く感じたので、同じように着くだろうと思ったが、甘かった。どうやら行きの時とは全く違う道を通ってしまい、なんということか、迷ってしまったのだ。そして気がつけば出発まで30分を切っていた。。。そこで通りかかったおじいさんに道を聞いた。彼は英語はできないらしいが、何とかわざわざ紙に地図を書いて懸命に教えてくれた。なんて優しい。

 それを手がかりに再度バスターミナルを探すことに。しかし見つからない。出発時間は刻一刻と近づいている。段々と焦りとパニックでいっぱいになった。猛ダッシュしてようやくターミナルを発見。出発まであと15分。後は荷物の受け取りとバスの乗車だけだ。この時猛ダッシュをしたので息が荒く、顔は汗だらけでひどく疲弊をしていた。朝来た場所と同じ所でバックパックを受け取ったその時、そこの係員のおじさんが疲弊した私を見て「あんた、ものすごく疲れた顔してるな。まあ中入って少し休憩しなよ。」と言って従業員室に入れてくれた。そしておじさんは「これで好きなドリンクを買って落ち着きなさい」といって10クーナ(※2017年3月当時。現在はユーロ)をくれたのだ。おじさんが「どこの国出身だい?」と聞いて「日本です」と答えたらテンションが上って「日本なのか!実は前から行ってみたかったんだ!クロアチアでは日本は人気なんだ。」と話した。ここで飲み物代をもらった御礼として日本の10円玉と5円玉をプレゼントした。休憩後、おじさんとお別れをし、すぐにバスに乗り込み、無事に出発した。

クロアチアに限らず、旧ユーゴの人々は本当に親切で優しい人が多い。

短い時間だったが、ザグレブを満喫できてよかった。日帰りなのがもったいないぐらい魅力的な国だったので次はゆっくり楽しみたい。

次はハンガリーのブダペストに向かう。