2019年12月30日 ロシア・アレクサンドロフ 2日目 イヴァン雷帝の首都巡り、そして再びモスクワへ

ロシア

アレクサンドロフ2日目。早朝に目覚めるが外はまだ真っ暗だった。

外からは犬の鳴き声がけたたましく響く。明るくなるまでの間に支度を済ませ、明るくなったタイミングでバックパックを預け、外出した。

アレクサンドル・ネフスキー像前の教会。右の屋根は工事中の模様。

この日のメインは博物館めぐり。目当てはイヴァン雷帝関係の展示が豊富の博物館。嬉々として向かおうとしたがそこには大きな落とし穴があったのだ…..

Oh….なんと…..ここの展覧会は年末年始休暇に突入している模様。ということは目当ての博物館も嫌な予感。

アレクサンドロフ・クレムリンは開いているらしいが、まだ開館時間(10:00)まで1時間あるのでしばらく周辺を散歩。雪は相変わらずなかったが気温は死ぬほど寒いためか川は完全に凍っていた。ここまで凍っている川を見るのは初めてだ。スケートできそう。

ワカサギ(多分)釣りをする人たち。

川の前にある広場のイヴァン雷帝の銅像。前回の記事でもお伝えした通り、ここアレクサンドロフはオプリーチニナ体制下の恐怖政治の時期に彼が一時的に首都にした街だ。彼はオプリーチニキ達と一緒にアレクサンドロフ宮殿で過ごした。雷帝のアレクサンドロフライフは晩年まで続いたという。アレクサンドロフ宮殿は一度行きたかったが時間の都合で今回は立ち寄らず。無念。

こうしてみるとこの川広い。

アレクサンドロフの市章。王冠?天秤?

11時が近づいてきたのでアレクサンドロフ・クレムリンに向かう。ようやく出口が開いたのでいよいよ入場。

このクレムリンには大聖堂と教会、博物館が集まっている。規模は小さいがアレクサンドロフの一番の名所である。

大聖堂。こちらは開いていた。

出入り口付近に券売所(カッサ)があったのでそこのスタッフに雷帝の博物館についてダメ元で聞いてみた。案の定、博物館は年末年始休暇に入っているらしく閉館中とのことだった。この時、来る時期を間違えていたことにようやく気が付いた。この街でやることがついに無くなった!

しょぼくれながらクレムリン内を散策。すると、歴代のツァーリ(ただしリューリク王朝まで)とクニャージ(ここではキエフ・ルーシの公を指す)について書かれた看板を発見。これはこの街では歴史的に絶対に外せないイヴァン雷帝。

ヴァシーリー3世。イヴァン雷帝の父親にあたる。この看板の面白いところは各ツァーリとクニャージ達をイメージしたイラストが描かれていることだ。

そしてアレクサンドル・ネフスキーである。まあ、今回はネフスキー関連の旅ができたこと自体が十分な収穫だから割り切るしかない。

クレムリン内。時期が時期なのか、閑散としていて寂しい雰囲気だった。わずかに関係者っぽい人が歩いていたぐらい。でもそれがなんだか心地良いけどね。

クレムリン周辺も民家しかなく、お店らしき建物もほぼ皆無。ガソリンスタンドが一つあったぐらい。人よりも野犬(と言っても1、2匹程度だけど)の方が見かけた気がする。この周辺での昼食は諦めよう。

このクレムリン、イヴァン雷帝の公邸でもあった。

モスクワでカザン行きの夜行列車に乗らないといけない上、博物館も閉まっていてやることも無くなったため、宿に戻ってバックパックを取りに行き、駅に向かった。

駅前のショボいバーガー店でようやく食事にありつけた。カフェオレに3本の砂糖が付いていた。ロシアではコーヒーに砂糖3つはお約束である。甘いものを欲していたのでありがたく3本すべて使い切った。

13時発のモスクワ行きに乗車予定。

今まで降らなかった雪が急に降り出し、あっという間に積もっていった。ここからさらに寒さは加速する。これぞロシアだ、もっとやれ。

ここから2時間ぐらい列車に揺れ、15時ぐらいにモスクワのヤロスラヴスキー駅に到着。アレクサンドロフ発モスクワ行きの列車はこの駅に到着する。

3日ぶりのモスクワは薄っすらではあったが雪が積もっていた。真のモスクワの冬を見た気がする。気がする。ここからカザンスキー駅に向かう。ラッキーなことに、ヤロスラヴスキー駅とカザンスキー駅は隣接しているので2分ぐらい歩けばすぐに着くのだ。いやあ大変ありがたい。

カザンスキー駅。ここを利用したのは4年半前にホームステイで大変お世話になったナスチャ達に会うためにリャザンに向かった時以来だ。

カザン行きのチケットを無事に購入。予約なしだったので空席が心配だったが、何とか確保できた。今回こそはプラッツカルタ(3等。一番格下。コンパートメントではなく通路沿いにベットが並んでいるだけのため、プライバシーとセキュリティの保証はない。しかも多くの人が利用するためうるさいらしい。でも安い。)にしようとしたが、安いためか全て満席だった。仕方ないので諦めて少し贅沢してクペー(2等。定員4人のコンパートメント)のプレミアムコースみたいなやつにしてみた。料金は11000円ぐらいだったと思う。日本の新幹線と変わりないぐらい高い。出発時刻は16:25分到着が確か早朝の4:30だったと気がする。

クペーの上の段を指定された。上の段はかなり快適だが、上り下りがクソめんどい。階段が死ぬほど小っちゃかったため、登るのに苦労したところ、同室の男性が持ち上げて手伝ってくれた。

16:25、定刻通りカザン行きの列車は出発した。出発と同時にスピーカーからチャイコフスキーのようなクラシック音楽が流れ始めた。

腹が減ったのでロシアの車内食堂を初体験。王道のボルシチとビールを注文。黒パンがおまけで付いてきた。これで800円近くした気がする。車内食堂は結構割高な印象。肝心の味だが値段の割には普通。しかも入っていた鶏肉がマズかった。だが列車に揺られながらすするボルシチは格別だった。まるで機内食を食べているような感覚だ。

車内食堂から戻り、ベッドでスマホゲームを進める。ロシア国鉄はWi-Fiが利用できる。接続方法はWi-Fiを繋げ、勝手に開かれるロシア国鉄の公式サイトのログイン画面に手持ちのチケットに書かれているコードのようなものを打ち込めば利用できるっぽい。

駅員のおばちゃんが個室に入ってきた。何度ろうと思ったらなんと、写真の箱のようなものを配布してくれた。

開けるとなんと、水とお菓子、そしてスプーンとフォークが入っていた。ここで私は大変驚いた。5年前に夜行列車を利用した時はこんなサービスはなかったぞ。ここ5年でだいぶ変わったんやなあ。ただ、スプーンとフォークが付いている理由がこの時まだ分からなかった。

しばらくするとまた、駅員のおばちゃんが個室に入ってきた。今度は何だろうと思ったら….

なんと!食事が!付いてきたではないか!なるほど、箱に入っていたスプーンとフォームはそういうことだったのか。後から分かったのだがプレミアムコースみたいなやつには食事が無料で付いてくるらしい。

食事の内容はチーズをかぶったチキンとマカロニ、細切りにしたニンジンという謎の組み合わせだった。味は期待しているほどおいしくはなかった。鶏肉はちょっと生臭かったし。でもあるだけで十分だ。これを堪能してみたい人は是非プレミアムコースを利用してみては。

本日はここまで。次回からはいよいよカザン編がスタート。乞うご期待!