2019年5月3日 ミャンマー・ヤンゴン 旧首都とハッピーワールドと黄金寺院

アジア諸国

5月3日。日付が変わり、ようやく日が昇ってきた。と同時にヤンゴンにも近づいてきた。

ヤンゴンに近づくけば近づくほど道路の渋滞もひどくなってきた。時間的にも通勤ダッシュなので致し方ない。道路の外には通学する女子学生の列が見える。その中にたまに男子学生も混じっており、女子学生と同じようにロンジーと言う筒状のロングスカートを着用していた。

時々見える小売店が並ぶ通り。

時々日本や中国、韓国製と思われるバスや車が停車している。写真にはないが、その中には放置しっぱなしの廃車も少なくなかった。なぜCOACHにトトロなのかは全く意味不明だがこれ以上詮索はしないでおこう。タイミングの関係で写真は取れなかったが、龍谷大学のバスがあったのはさすがに笑った。

午前7時半頃、ようやくバスターミナルに到着した。総移動時間17時間というチェンマイからの長距離移動が幕を閉じ、ここからミャンマー旅が始まった。宿が中心地にあるが、バスターミナルは中心からかなり離れていたのでタクシーを探そうと思ったが、まずはトイレを探すことにした。だが、周囲の人に聞いても「ない」という回答。まだ我慢できるぐらいだったのでやむを得ずタクシーを捕まえようとしたその時、ある青年の声が聞こえてきた。

「中心地に行くんですよね?良かったら一緒に乗っていきませんか?」

すでにタクシーに乗車している褐色の美丈夫の男性が日本語でそう声を掛けてきた。本当はトイレを探していたが、せっかく声を掛けてくれたので言葉に甘えて一緒に乗車することにした。この青年(以下I君)は食品メーカーに勤める若手社会人(これ以上は個人の特定につながるため紹介はここまで)。私と同じく、有給とGW10連休を利用して東南アジア旅をしているのだそう。彼はまだ年若いがバックパッカーとしての経験は豊富であり、むしろ色々教えてほしいぐらいだ。

バスターミナルからヤンゴンの中心地までは約40分ぐらい。いや、渋滞していたのでそれ以上はかかっていた記憶がある。夜行バスであまり寝れなかったせいか、タクシー内で仮眠を取った。それと同時にトイレの我慢もピークに達しようとしていた。

到着後、I君が運転手に「5000チャットに負けてくれ」と値段交渉をしたらしいが、残念ながら断られたらしい。到着したのはビルや百貨店が並ぶオフィス街。もう我慢の限界だったのでI君にお願いし、目の前の百貨店に入って急いでトイレに直行した。

トイレに行けて安堵した後、I君おすすめのドーナツ屋で朝食を取ることに。

Jドーナツというお店で朝食。ここはドーナツが1個50〜70円ぐらいの激安価格で知られている。ミ◯ドの100円セールにも引けを取らないコスパは魅力的。普通のドーナツの他に青やピンク等のカラーリングした商品も人気。

せっかく出会ったし、一緒に晩御飯を食べながらミャンマービールで乾杯しないかとI君にお願いしてみた。すると、I君はOKとのことだった。昼は用事があるということらしいので、LINEを交換し、17時にハッピーワールドの前で待ち合わせをすることを約束し、ドーナツ屋を出てから一旦別れた。

橋から見たスーレーパゴダ。ヤンゴンを代表する寺院の一つ。

宿に向かうため、しばらくヤンゴンの中心を散策する。私の想像した以上に通りは人でいっぱいであり、歩くのがやっとのエリアもあった。活気と混沌が入り混じった東南アジア独特の空気がここにあった。

私が使用した宿はダウンタウンのど真ん中にある。情報によれば治安はそこまで良くないのだとか。道路を次々を進んでいく。道には地べたに座り、堂々と新聞を広げてるおじいさんや腹を出して大胆に昼寝をしているおっさん、パッションフルーツを地べたに置いて販売しているおばさんなど短時間で多種多様な人たちに出会った。もちろん人だけではない。ミャンマーで多く生息する野犬もダウンタウンで住民と共存していたが、周囲の人間からは疎まれているらしく、その中で私が見たのは店に侵入しようとしていた大型野犬が店主に新聞紙で叩かれながら追い出されていた様子だった。

ミャンマー語は形的には好みだが、英語表記が極端に少ないので言葉の面で少し不安になってきた。というもの、ミャンマーが外国人観光客を受け入れたのはつい最近のことだと考えると、これも仕方のないことなのかのしれない。

歩いて50分の全身汗だくになりながら宿に到着した。宿スタイリッシュで大変清潔感があった。スタッフの女性が「すごい汗ね!暑かったでしょ!」と声を掛けてくれた。

ベッドに案内された後、シャワーを浴びさせてくれと懇願し、シャワー室に案内してもらった。が、しかし、シャワーは出る気配がない。他のシャワー室に移動しても結果は同じだった。宿主に尋ねてみると「ごめん、今シャワー止まっているんだ。どうしても利用したいのなら桶に溜まっている水を使ってくれ」とのこと。なんてことだ。今まで旅してきて溜まった水で体を洗ったことなんて一度もなかったぞ。これが途上国のシャワー事情なのか….

シャワーが使えない以上、諦めて桶の水で頭と体を洗った。洗った気がしないが、汗は流れたのでスッキリはした。

シャワー室から出た途端、突然、大きな雨音がなり始めた。スコールだった。雨は強まり、雷鳴まで轟きだした。その間は出かけることができないので、スマホゲームをしながら約束の時間までやることを考えた。その時、ぱっと思い浮かんだのは、ミャンマー人のようにロンジーを着用して顔にタナカを塗って街を歩こうというアイデアだった。確か、ロンジー屋さんが至るところにあった記憶があったので、雨が止んだ後に立ち寄ることにした。

雨が止み、約束の時間まで3時間あったので、早速ロンジー屋さんに行くことに。写真の車は宝くじの販売車。ミャンマー人は宝くじが好きらしい。

短時間の間にデカイ水たまりができる程、道路が濡れていた。おっさんたちが至ることろに吐いていた赤い唾(※キンマという噛みタバコが流行しているらしく、その原料を噛むと唾が赤くなる)の跡も消えていた。

ちょうど宿近くにロンジー屋さんがあったので、早速入った。若い女性店員が登場し、商品を紹介し始めた。何が良いのかがよく分からなかったので、おすすめの柄を何枚が見せてもらった。その中で紫色の柄が綺麗で品があったので、それに決めた。決めたは良いが、問題は試着だった。試着室に案内してもらい、着ようとするが、巻いて着るスタイルだったため、当然だが上手く着用することができない。女性店員に何度か手伝ってもらったが苦戦モードに。結局、「このままでは着用は難しいから、縫いましょう」と店員が提案をし、ウエストのサイズを合わせようとするが、この店員は英語があまり理解できず意思疎通が上手く行かない状態だった。その時、ある小さな救世主がやってきた。

10歳ぐらいの女の子と母親の親子が店にやってきた。我々がサイズ合わせに苦戦していたその時、その女の子が流暢な英語で「その服のサイズを合わせたいの?」と聞いてきた。最初は驚いたが、彼女のTシャツを見ると「International School」とプリントされていた。実はこの子はインターナショナルスクールの生徒らしく、そのため、英語を話すことができるのだとか。何という偶然。これを救世主と言わずに何というのか。ここから、店員がミャンマー語で話し、それを女の子が英訳して会話することにした。なんとか無事にサイズ合わせが完了し、あとは仕立てるだけとなった。店員は「15分ぐらいかかるからちょっと待ってね」と良い、店内の椅子で座って待つことに。汗だくの私を見かねたのか店員が水をプレゼントしてくれた。仕立てが終わったのも束の間、またもやサイズが合わない問題が発生。何度も試着するが脱げそうになる。で、そこでまた上記と同じやり取りが始まった。ようやく完了し、再度仕立てて10分ぐらい待つことに。今度は成功しやっと着用することができた。料金を支払い、店員とコミュニケーションを手伝ってくれた女の子に感謝の意を伝え、店を後にした。

これが実際に購入したロンジー。値段は15000チャット(1070円)と見た目の割にはとても安い。ロンジーは意外と安く購入できるし、気軽に民族衣装が楽しめるのでミャンマーに来たら一度は体験してみてはどうだろう。

宿泊した宿では、ミャンマーの伝統的な化粧品である「タナカ」が無料で体験できるコーナーがあった。せっかくなので、スタッフに声を掛け、タナカを初体験することに。余談だが、日本の苗字である「田中」とは無関係である。

スタッフが作り方の手本を見せてくれた。まずは研磨石に水を垂らし、原料であるタナカの木をすり潰す。すると、すり潰したタナカの木がペースト状になる。それを顔に塗ったら完了。スタッフが頬に塗ってくれた。鏡を見てびっくり、周囲にいるミャンマー人のようだ。I君の反応が楽しみだ。

約束の時間が近づいてきたのでそろそろ出かけようとした矢先に、I君からLINEが。どうやらトラブルで少し遅くなるということらしい。実は私にとってもそれは非常に都合が良く、理由は待ち合わせ場所になっているハッピーワールドを見てみたかったからだ。少し早いがタクシーでハッピーワールドに向かった。

ハッピーワールドとは、ヤンゴン最大の寺院であるシュエダゴン・パゴダのすぐ隣にある、小規模なアミューズメントパーク。この施設はヤンゴンっ子には大人気だが、旅人の間ではちょっとした有名スポット化しているらしい。その理由は、超見たことがありすぎる偽キャラクターの豪華(?)なオールスターを一気に見ることができるからだ。それでは、楽しい愉快な写真をとくとご覧あれ。

出入り口に行くと早速見覚えのある某大手ゲーム会社の配管工が出迎えてくれたよ。今でも「ヒャッホー」と言い出しそうだけど目が逝ってて怖いよ。

チケットカウンタで事前に入場券を買わないと入れないよ。料金は1700チャット(約120円)だからお金がない子たちも楽しめるね。これを入場の時にスタッフに見せるんだ。チケットの絵がなんとなくサ◯エさんみたいだね。

ゲームセンターの外観だよ。なんか公園のアミューズメントコーナーの延長みたいだね。壁の花の顔がホラーだよ。

中にはいるとどこかで見たことのある小人たちが迎えてくれたよ。なんか実際より少ない気がするけど気のせいかな。

なんかよく分からないタバコのキャラクターがいたよ。唇が青いのはなんだか藤木くんみたいだね。

某ハリウッドの有名な恐竜も迎えてくれるよ。

ゲームセンターだから普通のゲームも楽しめるよ。ダンス、レース、色々あるね!君は何が好きかな?ここではダンスダンスレボリューションが人気だよ。江南スタイルみたいな人がいるね。客が遊んでる後ろでスタッフが仕事を忘れて踊っていたんだ。

この日は人が少なかったよ。だから暇を持て余したスタッフは自由気ままにおしゃべりしていたんだ。

木の下には、お化け屋敷のような物があるんだ。

ここにはコインゲームもあるよ。一番驚いたのはお坊さんがゲーム、というか娯楽そのものに熱中していたことだ。僧侶だってゲームもするし、自由に遊んだりする一人の人間なんだ。

コインゲームの景品があるよ。フライパン、水筒、ポット、コップや小鍋……どれも家事や生活に重宝するものばかりだね。そう考えると、このゲームで遊ぶ客層はいい年した大人が多いことが推測できるよ。

遊園地の定番バイキングもあったよ。こちらは中々スリルがありそうだ。

怖いその1。目が完全に逝ってて怖いね。誰が乗るんだろう。

怖いその2。また某配管工がいるよ。さっきのより怖いよ。

ニ◯だ、ニ◯じゃないか!

カップル向けと思われるイルミネーションのトンネルがあったよ。この陳腐な感じがなんとも言えないね。

怖いその3。な、なんだ!この充血しまくってるその目は?!そのくせ笑顔でガッツポーズしている様はホラー以外の何者でもないよ。

ボールプールもあるよ。左の乗り物が怖いよ。

ジャック・スパロウもいるよ。でも私達の知ってる彼じゃないよ。目が完全にヤバいクスリをキメてる重度のヤク中患者だよ。

はい、出ました!パチモン界のエース、ミッ◯ーマ◯ス!!なぜかサッカーボールを持ってるよ。ワールドカップはまだ先だよ。

下にカラオケがあるんだって。ここ何でもあるね。

ミニ◯ンもいるよ、よかったね!わざわざUSJに行かなくても会えるよ!でも目が合うと殺されそうな顔してるよ。

ドナ◯ドダ◯クもいるよ。顔は映さなかったけど人を殺りそうな顔してたよ。

上にジェットゴースターみたいなやつがあるよ。運行してるのかは分からないけどね!

階段が青色に光ってるよ。地味に凝ってるのがポイント高いね。

ここは極寒を体験できる部屋らしいよ。常夏のミャンマーでは貴重なスポットだよ。でも一人で佇むオ◯フ君の哀愁感がなんとも言えないよ。

ゴーカートもできるよ。子供のお坊さんが思い存分楽しんでたよ。

日本から来たと思われる懐かしのゲームがあったよ。世代的に知ってる方もいるかもしれない。皿に見立てた円盤を叩きつけて得点を出すゲームらしいね。ストレス解消のやつだよ。ストレスが溜まったらここで発散できるよ、よかったね!

地下にはカラオケもあるよ。このおっさんの看板が目印だよ。

ハッピーワールドにはフードコートもあるよ。お腹が空いたり休憩したいときに丁度いいね。アルコールだって飲めるんだ。

怖いその4。雲みたいなやつは決して目を合わせてはいけない気がするよ。

3D部屋もあるよ。トリックアートみたいなやつかな。

ウッディ不在のトイストーリ。何がトイストーリなのか意味不明だよ。

ハッピーワールドを出ると、I君が待っていた。この時17時半になっていた。ロンジーを着用して顔にタナカを塗った私の姿を見て驚いていた。予想通りの反応で大変よろしい。やっと合流できたので早速食堂に向かった。

今回利用したレストラン。ドアと窓はなく、完全に開放されていた。

ミャンマービールで出会いに乾杯!

野菜たっぷりの麺料理。優しい味で大変美味。

フライドライスも味がしっかりしてて食べやすい。

二杯目にアンダマンを注文。こちらはミャンマービールと違って味が濃く、濃厚。

ミートボールみたいなやつ。名前は分からないが結構美味しい。

I君とは、ミャンマーの魅力や今までの旅について色々話をした。彼はミャンマーのリピーターであり、何度も行っているのだとか。ミャンマーに来て文句ばかり言っていた日本人おじさんの話やホテルでのトラブルなど、面白い話もしてくれた。その後、自分の働いている会社の商品をプレゼントしてくれたりした。

写真には撮っていないが、このレストランはドアも何もなかったので野犬が入り放題していた。もちろん、私達のところにも来た。基本的に彼らは大人しいが、私は海外では動物には触れないように徹底していたので追い出そうとした。だが、大の犬好きのI君が「僕犬大好きなんですよ!この子達は大人しいし、少しぐらいはいいんじゃないですかね」と言って。普通に野犬を受け入れていた。「確かに、何かしてくるわけじゃないしなあ…」と思い、無視したが結局店員が蹴って追い返してくれた。ミャンマーの人たちは犬に対して本当に容赦ない。でもその対応はやむを得ないと思う。なぜなら、ミャンマーは狂犬病流行地であるし、住民たちもその危険性を理解している。叩いたり蹴って追い出すという行動はそのことを心得た上なのだろう。旅人の間では常識だと思うが、海外では決して野生動物に触れてはいけない。お姉さんとの約束だぞ。

ミャンマーのビールを満喫した後、店を後にした私達。私はこの後隣のシュエダゴン・パゴダに行く予定であり、I君も誘ったがあいにく彼は明日タイに行くために早朝から空港に向かうという理由で行けないとのこと。なので彼とはここでお別れをした。短時間だったけどとても楽しかった。ありがとう、I君。またどこかで。

I君と別れ、一人で早速シュエダゴン・パゴダに向かった。シュエダゴン・パゴダとは、ヤンゴン最大の寺院であり、主要観光地としても有名。3人の菩薩の遺体が納められていることから現地では聖地になっている。

ここが出入り口。中は土足厳禁なので階段を登った先は裸足になる必要がある。

寺院までの道中。中は広々としており、サイドには土産屋などの店が軒を連ねていた。ここで白い花を売りつけられそうになったがなんとか振り切った。

しばらく歩いたらまたもや階段が出現。寺院までの先は大変長い。ここには地べたで座る人もいたが、野犬も何匹か入り込んでいた。

この階段を登りきった先にようやくチケットの販売所が見えてきた。と同時に人も増えていった。料金は1000チャット(約70円)と大変安い。チケットをゲットし、早速寺院へ入場。

入場してそこに待っていたのは、キンキラキンに輝いていた黄金の寺院だった。夜というのもあり、その輝きはより一層増していた。I君が「見に行くなら夜のほうがいい」と言ってたのも納得である。それもあって多くの人が来ており、観光客はもちろん、祈りを捧げるために来た地元民で溢れていた。その姿から菩薩様に敬意を払い、信仰を大切にするミャンマー人の信心深さとその心構えを垣間見ることができる。

全体が黄金の輝きを放っており、見る者全てを魅了する。

一部が工事中だったのは残念だが見る分には全く問題ない。

見るだけで心が浄化されていく。

この中には大仏様がおり、地元民が祈りを捧げていた。

後光にはLEDが使用されているらしい。エレクトロニカルな大仏様。

ミャンマーに来たら一番に見たかったシュエダゴン・パゴダ。実現できてよかった。

こちらも大仏様の一部。金ピカなのは寺院だけではなかった模様。

某黄金王が好きそうである。

寺院の中には至るところに仏壇がある。個人的にここのは華やかさがあって好き。

ここの仏壇の一つ。

1時間後全て見終わり、タクシーを捕まえて宿に戻った。部屋に戻ると、同室のチリ人のダニエルが声を掛けてくれた。彼は「屋上のベランダで一緒にビールを飲まないか?」と誘ってくれ、フロントでミャンマービールを購入した後、屋上のビアガーデンでダニエルとそこにいたロシア人、エクアドル人とアメリカ人と一緒に晩酌をした。

本日2度めの乾杯。彼らはビールの他、ワインも飲んでいた。ダニエルは19歳と大変若く、現在はカナダに留学中らしい。そのため、英語は流暢だった。

バス移動による寝不足&疲れが祟り、この日は酔いが回るの早かった。泥酔しないうちに彼らに「今日は長距離移動で疲れてるから先に寝るね」と言い、宿に戻って眠りについた。

次回はヤンゴンゆったり一日旅をお送りする。では。