リャザンは私の第二の故郷

ロシア

皆様、お久しぶりです。

新学期に記事を更新してから一ヶ月が経ちました。その間、色々ありすぎててんやわんやしていましたが、ようやく落ち着きました。でもこの通り、私はちゃんと生きています。ご安心下さい。

では次からは本題に入って行きたいと思います。今日は私が初海外でホームステイをしたロシアの地方都市、リャザンと私がそこで経験して学んだ事についてお話をしていきます。

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一回目の記事でも書きましたが、私の初海外はロシアでのホームステイ。場所はモスクワから南東から約200キロ離れた地方都市リャザンです。きっかけは、学部時代に所属していたロシア専門の国際交流サークルでの訪露活動です。ここで、現地で日本語を学んでいるロシア人学生たちと交流し、異文化の相互理解を図る活動をしました。

リャザンってどんな街?おいしいの?

日本ではあまり聞かない都市名ですし、そう思われる人もいるのは当然でしょう。ていうことで先ずは、リャザンという街について概要を説明します。

リャザンはあのパブロフの犬で有名な生物学者のイヴァン・パブロフとロシアの大詩人エセーニンの出身地として知られている街なのですが、実は歴史はとても古く、8世紀まで遡ることができます。リャザンは8世紀頃に進出したスラヴ人が現在のリャザンに要塞を形成したのが始まりであり、中世ではリャザン公国として繁栄した時期もありました。

リャザンの歴史を象徴するものの一つとして、クレムリンがあります。

「えっ、クレムリンってあのモスクワのやつじゃないの?」

と思われる方もいると思いますが、実はクレムリンはモスクワに限らず、ロシアの至るところに存在します。リャザンの他に、カザンやニジニー・ノヴゴロドなどにもあります。リャザンのものは、11世紀頃から存在していたとされています。すべてが現存しているわけではありませんが、それでも最古の部分は12世紀頃とされています。おそらく、ロシアのクレムリンの中ではかなり古い方ではないかと思います。ちなみにクレムリンはロシア語で城塞という意味です。

クレムリンの周辺には、ウスペンスキー聖堂やアルハンゲリスキー聖堂、博物館等があり、リャザンが辿った歴史を目で確かめることができる名所です。

クレムリン内にあるウスペンスキー聖堂。この写真は4年前に撮影しました。

そして、私がリャザンが好きになったきっかけとなった場所として、リャザンの郊外にあるコンスタンチノヴォ村です。この村は、詩人エセーニンが生まれた場所としてロシアでは有名です。夏になると観光客が多く訪れます。ここには、エセーニン博物館やエセーニンのまつわる展示物がありますが、何より、この村の一番の魅力は無限大に広がる大草原とゆったりと流れるオカ川の美しい風景です。私が初めてこの風景を見た時、ようやく国外に来たことを実感したものです。昨年夏に再訪した時も同じ景色が見れたことはとても嬉しく思いました。エセーニンもきっとこのロシアの魅力的な大草原を見て育ち、彼の作品にも影響を与え続けたのでしょう。

写真の川がオカ川です。前回の記事に載せたものと一緒です。すいません。

 この銅像がエセーニンです。

私は4年前、この町で10日間滞在しました。その間に文化、習慣の違いに戸惑いながらも現地で異文化に直接触れる貴重な経験もしてきました。

そして何よりも、このホームステイで一番大きかったのは、ナスチャというルームメイトとの出会いでした。彼女とは今でも交流をし、お互いに贈り物をしたり、手紙のやり取りをしたり、近状をSNSで語ったりしています。

彼女と出会う前、まだロシアはおろか、海外すら行ったことがなかった私の中にあったロシアのイメージは、「冷たい、暗い、怖い」という勝手なイメージが正直ありました。今思えば、完全に先入観に惑わされていたなあと思います。

ですが、ナスチャとその家族、他のロシア人メンバーと接しているうちにそのイメージは完全に覆されました。最初はお互いに緊張していましたが、接していると彼らは皆人懐こく、よく笑い、そしてとても親切でした。また、ロシア人はおもてなしが好きだということも分かり、ホストマザーは食べきれないほどの大量の料理でもてなしてくれたり、豪華なプレゼントをくれたりと、本当に至れり尽くせりでした(笑)ここで私は初めてロシア人の温かさと優しさに触れました。

ロシア人は「冷たい」という意見がありますが、それは赤の他人の場合を指します。日本では接客にしても笑顔ですが、ロシアでは、見ず知らずの人間に向けて笑顔を向けることが失礼に当たるらしいです。「冷たい」と言われるのはそのためです。地下鉄の券売所のおばさんがいつもしかめっ面なのを見れば分かります(笑)しかし、一度親しくなった人には親切で世話好きな一面を見せてくれるのです。

ここで、学んだことは文化だけでなく、先入観や勝手なイメージだけで判断せず、一度自分の目で確かめて本物に触れることがいかに重要であるかということもとても勉強になりましたし、これが後にバックパッカーを始めるきっかけにもなっています。

このような貴重な経験をさせてくださったサークルには感謝してもしきれませんし、これでもっとロシアやリャザンが大好きになりました。 

またいつか、リャザンに行きます、待ってろよ。