2018年8月12日 中国・大連と旅順

アジア諸国

2日目。この日はかつての念願だった旅順へ行くことに。

旅順は歴史の授業で聞いたことがある人も少なくないだろう。それもそのはず、この地はかつて日露戦争の激戦地になったからだ。その名残もあり、一部エリアでは立ち入り禁止となっているが、近年は観光地化しており、訪問しやすくなってきている。

今回はリアルで見てきた旅順の魅力を存分にお伝えしたいと思う。

朝のホステル周辺の様子。天気が良かった。旅順日和だ。誰の仕業が知らないが、宿の目の前に広がっていたゲロを踏みそうになった、キレそう。

旅順の行き方は3通りある。一つ目は、地下鉄。旅順口駅があり、そこから行くことができる。少し遠いが。二つ目はバス。約一時間程度で行ける。3つ目は列車。ただ、本数はかなり少なく。どうしても列車で行きたい鉄道オタクは時間をよく調べると良い。私は地下鉄で行ったのだが、それがちょっとした悲劇になってしまったのである。

旅順に行く道中の風景。海が見えているのは旅順に近づいてきた証。中国にいることを忘れてしまいそうだ。

友好広場駅から乗車して約40分、ようやく旅順駅に到着した。のはいいが、ここで落とし穴が。実はここ、中心部から少し離れていたため、市バスで移動する必要が出てきてしまったのだ。バスを探そうとした矢先にタクシーの客引き二人につかまってしまう。こいつら、なかなかしつこい。何回も断っている上に関西弁でブちぎれたりもしたのにお構いなし。バトっても無駄に体力を消耗するだけなので無視しながらバスを探すしかなかった。

中心地行きのバスに乗車したが、かなりの混雑ぶり。バスが停車するたびに謎の怒号?(ではない多分)が運転手から飛び交う。中国ではこれが普通なのだろうか….

30分後に中心地に到着。どうやらここがバスターミナルになるらしい。ちなみに中国語でバスターミナルは 汽车站というらしく、中国語に疎い私は「 汽车」というワードに惑わされてうっかり列車のことかと思った。なので大変恥ずかしいことだが鉄道駅だと勘違いしていた….

実際に乗車した市バス。驚くことにこの車体は電動なのだ。どうりでほかのバスと違って走行音が電子的だと思った。キャッシュレスもそうだが、変なところで最先端の技術を駆使している中国の面白いところが垣間見えた。

旅順の目的の一つである旅順駅に向かうことに。実は本来、列車で行く予定だったが地下鉄で行けるという情報を知ってからはやめてしまった。激しく後悔。

タクシーを捕まえて旅順駅まで出発。到着はしたのだが、気になったのは使われている形跡がないということ。

旅順駅。

1985年7月11日に文化保護遺産に認定されたらしい。なるほど、鉄道駅は「火车站」というんだね。

入り口。元々ロシア人に占拠されていたこともあり、外観はロシア風になっている。

時刻表。2017年に更新しているみていなので現役のようだ。北京行きや上海行もある

一番疑問に思っていた大連ー旅順間の運行について車掌さんに聞いてみたが、「今日は運行ない」というまさかの回答が。どちみち無理だったということみたい。でも、行けるって…知っている方がいたら教えてください。

駅内構内の内観。誰もいずどことなく寂しい印象

やっぱりロシア風。とくに丸い屋根が。

旧大和ホテルらしいが存在感がイマイチなく、貧相な印象。いまでもつぶれそうな外観をしている。

ようやく大通りみたいな場所に到着。といっても賑わっているわけではない。青果店などの小売店が集まっているだけの感じ。中国では普通らしいが、どこかの店の従業員らしい小奇麗な女性が「がーっ、ぺっ!!」とおっさんみたいにゴミ箱に盛大に痰を吐いていた光景は少しショッキングだった。

人はあまりいない感じ。だと思っていたが…..

旅順博物館が近くなると、一気に人が増えていくのが分かった。ほとんどは観光客のよう。

博物館には長蛇の列ができていた。多分30分は並んでいたと思う。待っている間、人々は団扇で暑さをしのいだり水を飲んだり、痰を吐いたりして持っていた。

列が解消され、ようやく中に入れた。博物館とは思えないモダンな内観に少し感動。古代の遺跡から現代まで、時代を追いながら展示物を見ていく感じだ。私は中国史は専門外だが中々見ごたえはある。

ただ残念だったのは、ガヤガヤうるさかったことぐらい。

うるさすぎて意味をなさなくなっていた看板。

この器、某鑑定番組に出品されたことがあるらしい。

香水入れらしい。小さいが絵が非常に細かい。思わず欲しくなる

美大とかでよく見る現代アート。それにしても道路のど真ん中に設置するとは大胆にもほどがある。

しばらく歩いていると、2匹の野犬がいたのだが、この二匹が同時に自転車のおっさんを追いかけていた。しばらくすると、自転車のおっさんを諦め、バイクのおっさんを追いかけていった。あまりにも面白い光景だったので動画にすればよかった。

この日は猛暑だったので、飲み物を求めて売店へ。というのも、博物館の自動販売機は購入以前に小銭が入れられないようになっていたからだ。ここのごみ箱周辺にスイカの残骸や割れて中身が散らばっている生卵があったこともありとてつもなく臭かった。

ワンピースのすぐ隣に趣味の悪い乗り物があった。陽気にvサインをしているが白目をむいていてホラーしかない。これに乗りたいキッズは本当にいるのだろうか。

やっと入手できた飲み物。お茶だと思ったら、死ぬほど甘くて脳がパニックになった。なぜ甘くする。ペットボトルには刀剣乱舞にいそうなイケメンと不細工な葉っぱのキャラクターが描かれている。無駄に絵のクオリティが高い。

昼食がまだだったので、中心地に戻ってショッピングモールのフードコードで食事をすることに。そこで、思わぬトラブルが発生。好きなおかずを取り、会計をしようとしたら、店員から「現金は受け付けません」という衝撃の一言が。理由は明確だ。この店はキャッシュレス、つまりスマホ決済オンリーにしているからである。よく見ると、レジには中国を代表するキャッシュレスアプリである、アリペイとウィーチャットペイのQRコードがあるじゃないか。しかもこの決済の厄介なところは、外国人は利用できないという点。この件に関しては別の記事で詳しく書いていく。

皆さんすでにご存じだと思うが、中国では世界でも最もキャッシュレス化が進んでおり、特に上記のようなショッピングモールや百貨店ではキャッシュレスオンリーにしている店も増えているとか。特に北京や上海などの大都市ではその傾向が顕著らしい。とはいっても、地域によってある程度差はあるらしく、私が訪問した大連では、未だに現金払いをしている人は少なくなかったが。

少し話がそれてしまった。じゃ結局どうしたのかというと、このショッピングモールで共通で使用できるチャージ式カードを購入し、現金をチャージして何とか会計はできた。これで空腹から解放できるのである。

この日の昼食。これで500円だから驚きだ。味も悪くない。このわかめ餃子は微妙だったが。

フードコード。この辺は日本のそれと変わりはない。すべてキャッシュレス化なのでここで食事をする予定がある人は、チャージ式のカードを買いましょう。

無くてもいいのではと思えるほどの微妙なオブジェが吊るされていた。

下では水着が売っていた。気が付け場3時が過ぎていた。海沿いまで行こうと思ったが、入場制限があるらしく(軍事施設が多く、外国人は一部が制限されている)諦め、ロシア街に行くために大連に戻ることに。

バスターミナルにあった変な乗り物。一部にはディ○ニーなどのいてはいけないキャラクターもいた。

一瞬マッサージチェアかと思ったが違うっぽかった。と思ったらよく見たら支払い用のQRコードがあるのでやっぱりマッサージチェアだった。ここでもQR決済とは恐れ入りました。待合スペースの椅子がここまで豪華とは思わなかった。

大連行きのバスを待つ。

バスに乗車。大連までは一時間半ぐらいかかった気がする。料金は100円ちょっとぐらいかな。

大連に戻った私は、念願だったロシア街に向かうことに。

選挙関連のイラスト。よく見ると投票箱におっさんの手が貫通していてかなりいびつな絵だ。しかも腕にお札が挟まっている上にげっそりしたおっさんお顔がさらなるリアリティを醸し出しているぞ。

このなんとも言えない風景が病みつきになる。

ついきロシア街に到着。中国の中のロシアに少し興奮気味に。平面図によれば、このエリアだけらしい。思っていたよりは狭い印象。

ここも文化遺産に登録されている模様。元々大連はロシア人が建設した街。その歴史があった事実を残すことは意義のあること。その割には肝心のロシア人は全く見かけないのだが…..

ロシア街の通り。人は多かったがほぼ中国人だった。売店にはマトリョーシカやロシアっぽい土産が販売されていた。マトリョーシカだが、ほとんどは中国産であり、本場のロシアでハイクオリティのマトを見てきた私からすると、お世辞にも作りはイマイチな印象を受けた。

建物はロシア風だが、中は完全に中華料理屋。

ロシア風の顔ハメフォトスポット。ロシア感を出そうという無理矢理な感じが否めない。

ロシア料理店があったがこの日は海鮮料理を食べると決めていたので行かず。Арбатという名前だけあってやっぱりこの道もアルバート通りを意識しているのだろうか。

ロシアを意識した建設物があるが、教会ではない。

なぜかこんなところに船舶学校があった

名前の通りロシア通り。やっぱりアルバート通りを意識してるだろ。

ここがロシア街の行き止まり。このエリアはここで終わりである。改めて今回、大連の名所の一つであるロシア街を訪れた感想を言わせていただくと、正直ガッカリ感が否めなかったというのが本音だ。確かにロシア風の建設物はあったし、マトリョーシカも見かけたりとロシア的要素はあったのだけれども、なんかこう、無理矢理感を感じざる得ない部分はどうしてもあった。もし、これを読んでいるあなたがロシア好きで、中国の中のロシアを見たい!という場合は大連よりもハルビンに行くことをおススメする。

ロシア街の期待外れぶりにがっかりした後は気を取り直して、大連の名所の一つである、中山広場に向かうことに。この道中で中国らしい光景に遭遇した。私の前に小さい男の子と父親の二人の親子がいたのだが、なんと、道のど真ん中で男の子に小便をさせているのではないか!

これがチャイナスタンダートなのか。大胆にもほどがあるぞ!そしてその隣の屋台では平然と串焼きが販売されていた。衛生概念の違いを見せつけられた気がしてなんとも複雑だった。

大連は基本的には綺麗な街であると個人的には思っている。が、ここも中国的というのか、どの通りに行っても独特の臭いがするのはやっぱり気になるところ。何の臭いなんだこれ。

そして夏で暑いのか、かなりの確率で腹を半分出したおっさんを見かける。そして大半はぼってり出たビール腹である。私が見たときも指では数えきれないぐらいはいた気がする。残念だが何の目の保養にもならないので期待なさらずに(何が)。

街の中心部に到着し、中山広場とご対面。こうしてみるとイメージがわかないのだが、高い場所から眺めると、丸い形をした広場であることが分かるだろう。ちなみにこの近くにある高級ホテルの上階に行くと上から眺めることができる。広場はごく普通の公園であり、緑も豊か。周辺には車がぐるぐる回る形で走っていた。

まあ、ただの公園である。

ついでだから大連駅を見学。旧共産圏でありがちの高い屋根を持ち、無機質な空間が特徴的。

晩酌は大連名物の海鮮料理で。青島ビールを飲みながら満喫。港町である大連は海産物が豊富であり、新鮮な海鮮料理が食べられるお店が軒を連ねている。写真上のアサリの炒めものは程よい辛さで美味かった。

ここが実際に行った場所。店の前で新鮮な海鮮物をその場で選び、調理をするというスタイル。ここでまた驚いたのは、これから食べるであろう水槽から取った海鮮物を入れたかごを通路にボーンっと置いたのである。通路ですよ?もしかしたら痰を吐いたりゲロを吐いたりしたかもしれない通路にですよ?そんなところに置きます普通?

調理をすれば大丈夫だろうが、衛生面ではかなり心配な面はあったのは否めない。だって口に入れるものを通路に….一瞬不安になった。味は美味しかったけど。

夜の大連駅。ライトアップが印象に残る。

次はこの度のメインである丹東。いよいよ中朝国境の街で向かうのである。

ではまた。