2017年3月5日 ウクライナ・リヴィウ一日目 魅惑の西欧的都市 

リヴィウの旧市街の街並み ウクライナ

リヴィウ一日目。無事に宿に着いた安心感から完全に熟睡してしまった。

今回宿泊した宿はParkPlusHostel。名前の通り、目の前に大きい公園がある。部屋は白と青を基調としたデザインで清潔感があって好印象だった。スタッフも親切。ただ、ルールは多かったような気がする。到着後シャワーを浴びた後にドライヤーを借りようとフロントに行こうとしたら部屋以外はほぼ消灯していて真っ暗だった。スタッフもいなかった。そこで、一人ロシア人の若い女性が共用スペースで暗い中スマホをいじっていた。「なんでこの子電気付けへんのやろう?見えづらいやろ….」と思い、最初はそれが不思議でしょうがなかったが、後で理由を聞くと納得した。この宿では、午後10時以降は部屋以外は全て消灯しないといけないというルールがあるからだという。にしても、わざわざそこにおらんと自分のベッドで読書灯点ければええのに…とは思うがね 笑

最終的に彼女がドライヤーの場所を教えてくれたからよかった。

起床したのは午前9時。熟睡したためか、昨日の長距離移動にもかかわらず体はスッキリとしていた。しかし、列車出発前の朝食以降何も食べていなかったため、かなりお腹が空いていた。さすがに空腹に耐えきれず、我慢ができなくなったので散策前にすぐに食事場所を探した。すると丁度、ウクライナのポピュラーなスタローヴァヤ形式のレストラン、プザタハタを発見。どうやらここは各地にあるチェーン店らしい。すぐさま店に入り、勢いでおかずを次々と注文をした。

そして、これである。炭水化物と肉類ばかり….この時は相当お腹が空いていたんだと思う。ウクライナの水餃子ヴァレーニキ(ウクライナではペリメリよりこっちの方がよく見る)、フライドポテト、ソーセージ、ピラフと鶏肉とチーズの焼き物とコーヒー、生ディル入りタルタルソース(激ウマ)である。これで合わせて140フリヴニャ(590円ぐらい)は安い。味も結構美味しい。これでもまだ足りなかったがさすがに自重。でも我慢ができないぐらいの空腹感は落ち着いた。

リヴィウは西欧的な町並みが特徴だが、やはりウクライナの国旗はよく見る。これでここがウクライナであることにようやく気付く感じだ。地理的にポーランドの近くに位置している。ちなみにリヴィウではロシア語で話しかけられることはほとんどなかった。挨拶もウクライナ語か英語の二択。

 

この銅像はリヴィウの創設者であるハールツィ・ヴォルィーニ大公国の大公ダニーロ・ロマーノヴィチ。リヴィウ市民にとってかけがえのない存在である。

 

まだ早朝のため、人通りはそこまで多くはない。

 

リヴィウにはブティックが多く並んであるが一際目立っていたこのマネキン。芸術なのか、単なるネタなのかは良く分からないがとにかく謎過ぎる。考えれば考えるほどわけが分からなくなる。そして鎖で繋がれているのがなんとも言えない。

 

完全に雰囲気は西欧。美しい街並みと石畳の道がバランスが良い。写真のような大きな通路がある箇所には車やバス、トロリーバスが通っている。

 

市庁舎前ではパフォーマーやコーヒーなどを販売している移動式カフェ(ウクライナではどこ行ってもよく見る。主に車で簡易式のコーヒーを販売している)が集まっていた。ベンチもあり、そこで読書をしてる人やのんびりしている老人もいた。

 

この通りには博物館がずらっと並んである。民族、歴史関連が多い。中には博物館兼雑貨屋になっているユニークなところもあった。特に私の目的は歴史博物館。偽ドミトリー関連の展示物があるかどうかを確かめるためだ。

 

そうそう、これこれ。リヴィウ歴史博物館。主にポーランドの王室関連の展示物や史料が多く所蔵されている。館内の写真撮影は禁止だったので内容はお見せ出来ないが、かなり見ごたえはあった。特にコサック関連が多い。ドミトリー関係の展示物は残念ながらなかったが、彼の妻となったマリーナ・ムニーシェフのミニアチュールを見つけた時は興奮が止まらなかった。館の出入り口にはノートがあり、そこに自由に書き込みができる。せっかくなので日本語とロシア語で書いて痕跡を残した。

 

実はこの博物館、中庭がある。まるで王室を連想するようなアーチが並んだ美しい風景が広がっている。この感じ、クラクフのヴァヴェル城の内観とリラの修道院を思い出す。

 

博物館を出た後はゆっくりと外を散策。ここは旧市街の中心となる広場で市民の憩いの場となっている。オシャレでチャーミングな建物が所狭しと並び、もはや旧ソ連圏にいる感覚がない。

 

期間限定でスケートリンクが設置されていた。昼過ぎになると人で溢れかえっていた。結構人気らしい。みんな思い思いに滑っていて楽しそうだった。一人じゃなかったら私も滑ってたかも。

 

個人的にここがリヴィウの中で一番風情があると思う。歩いているだけでも目を楽しませる事ができる風景がいっぱいで幸せ。

 

聖ドミニカ大聖堂。元々はローマ・カトリックだったが現在は正教会となっている。そのためか、幻想的な黄金のイコンがありながらも構造的にカトリック時代の面影が残っている。

 

おっと、アップルもどきのお店を発見。ロゴも名前も酷似している(Pを大文字にするあたりとかね)。iPointstoreってほぼまんまやないかい。偽物にしてはかなり分かりやすいがここまで堂々としていると逆に清々しさを感じる。

 

 

昼過ぎになると少なかった人通りが増え始める。ここで改めてリヴィウが活気に溢れた街であることを知った。 トラムと共存している感じがたまらなく好き。

 

トラムはリヴィウっ子の主な移動手段。3フリヴニャ(8円)で利用できる。この車体は比較的新しい方かな。

この写真を撮った後のこと。前に歩いてきたじいさんに突然腕を掴まれるという出来事に遭った。このじいさんはウクライナ語で色々と話してきた。早口すぎてよく分からなかったが「あんた、日本人だろ?」というところだけは理解できた。彼の手を見るとプーシキンの詩集らしきミニブックを持っていた。どうやらそれを売りつけようとしていたらしいが、プーシキンの本なら家に何冊かあるので断り、「早くその手を離して下さい!」と言って強く手を払い、逃げた。いきなりだったのでさすがに恐怖を感じた。

聖アンドレイ教会(元ヴェルナルディ教会)。ここも元カトリックの正教会。

 

唯一残念なのは美しい西欧的町並みのリヴィウでさえ野犬がいた事。この辺はなんとなくボロが出ちゃっている感が漂う。ちなみに私の宿の周辺にもいた。昼間に限れば大人しいから別に良いんだが。

ここまで厳重にされているATMは初めて見た。破壊したりする事件が後を絶たないのかね。

薬局博物館というのもある。リヴィウ最古の薬局だそう。もちろん薬の販売もしている。 

リヴィウの一番大きい広場。写真の建物は劇場。オペラや舞台等がやっている。その下には噴水があるが当時はオフシーズンだったため止まっている。とにかく人が集まりまくっていた。

はい出たー。観光地によく現れる偽ミ◯キーの気ぐるみー。てか頭以外普通に私服ですやん 笑笑

おいおいおいwwwどうせやるならもう少し頑張れよ….

ここリヴィウではおとぎ話によく出てくるような感じの馬車も現役で仕事をしている。ゴージャスなドレス着て乗ったら様になるんやろうなあ。

愛国心の強いウクライナではよくある光景だが、至る所で国旗カラーを施したもので溢れている。この柵もそのうちの一つである。

夕方になり、そろそろ晩飯をと思ったが何を食べようか迷っていた。自炊もいいが一回は名物も食べたい。と思ってウクライナ料理店を探す。その時偶然見つけた看板が気になったのだが、それはムスリム向けと思われるハラールレストランの看板だった。美味しそうなシャシリクの写真に心を奪われてしまい、即決でそこにした。

店店の名前はКРЫМ(クルィム)。クリミア・タタール料理店である。ウクライナではクリミア・タタール系の民族もいるため、こうしたレストランも多いのだそう。店はこじんまりとしているが無料のWi-Fiもコンセントもある。そしてここのウェイトレスの女性がエキゾチックな美人だった。

この日はラグマンを食べた。量が少なかったのは残念だが、味は最高。これは本当に絶品である。スパイスがほどよく効いたスープとコシのある麺の絶妙なバランスがたまらない。ここから驚くなかれ。値段はなんと、46フリヴニャ(198円)!安くてこのクオリティはヤバイ。思わず語彙力が無くなってしまうぐらい。 リヴィウに来た時は是非。ハラールの店だから豚肉とお酒はないよ。

リヴィウの夜。活気のある明るい雰囲気から一変して幻想的な一面を見せている。 

リヴィウ一日目はこれで終了。次も続く。