新型コロナウイルスが旅に与える影響について

ご無沙汰しております、ネフスカやあいりです。

正月以来、更新がなく申し訳ありませんでした。さて、贅沢なロシア10日間の正月旅を終えて早2ヶ月が経ちました。そんな中で、社会情勢が大きく変わる出来事がありました。それは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大です。

昨年11月末頃から中国の武漢市で発生し、中国中心に感染者が増加していったこのウイルスですが、今となっては世界中の至る場所で広がりを見せている状況です。その波は我が国日本にも容赦なく押し寄せてきました。大型クルーズ船での集団感染や市中感染、特定の場所でのクラスター感染も発生しており、今やいつどこで感染してもおかしくない状況になっています。その影響から全国の学校の一斉休校や各イベント、大会等も中止まで追い込まれる事態になっているのはご存知だと思います。

私達旅人も例外ではありません。ある人は卒業旅行で計画していた海外旅行を渡航制限でキャンセルし、払い戻しができず途方に暮れていました。日本が新型コロナウイルスの「流行国」として世界的に認識されていることの現れでしょう。

では、新型コロナウイルスが我々旅人に与える影響についてまとめました。

① 渡航制限、禁止

日本国内からの持ち込みを懸念し、各国で日本人に対する渡航制限、ビザの無効や入国禁止措置、国境封鎖が実施され始めています。言うまでもありませんが世界を巡る旅人にとっては大打撃ですね。現在こうした措置を取っている国と地域は以下のとおりです(2020年3月15日現在)。特に3月13日以降、東欧諸国での入国制限と禁止措置が始まっているようです。

★日本含む流行国からの入国者に対する渡航制限、禁止措置

渡航制限・禁止

韓国、マレーシア、ネパール、インド、モンゴル、レバノン、キルギス、クック諸島、トルクメニスタン、バーレーン、バヌアツ、ブータン、マーシャル、ミクロネシア、シリア、トリニダード・トバゴ、イスラエル、イラク、ガーナ、北朝鮮、フィリピン、ニウエ、デンマーク、ペルー、ポーランド、オマーン、アンティグア・バーブーダ、スロバキア、モルドバ

条件付きの入国制限

キリバス、コモロ、サウジアラビア、サモア、ジブラルタル、ソロモン諸国、ツバル、フランス領ポリネシア、チェコ、中国

★入国制限はしていないが、入国後の行動制限措置を実施

検疫観察、診察義務を課している国(発熱等の症状が認められる場合や勧告を無視した場合は隔離措置、帰国命令を実施する可能性のある国)

アイルランド、アルゼンチン、アルメニア、アルバニア、イラン、ウクライナ、エクアドル、エチオピア、ガイアナ、カナダ、カメルーン、キューバ、ギニア、クウェート、コートジボワール、コスタリカ、コロンビア、コンゴ民主共和国、ザンビア、シエラレオネ、ジョージア、ジンバブエ、スーダン、セネガル、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セントルシア、チュニジア、台湾、トーゴ、トルコ、バーレーン、ブルネイ、ベトナム、ベネズエラ、ベラルーシ、ベリーズ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ボリビア、香港、南アフリカ、モナコ、モルディブ、ミャンマー、ヨルダン、ラオス、ラトビア、ロシア

症状の有無に関わらず一定期間の隔離措置を実施している国

アゼルバイジャン、アラブ首長国連邦、イスラエル、インド・ケララ州、ウガンダ、ウズベキスタン、エストニア、カザフスタン、キプロス、キルギス、北マケドニア、クロアチア、ケニア、サントメ・プリンシペ、ジブラルタル、赤道ギニア、タイ、タジキスタン、チリ、ナイジェリア、ニジェール、ニュージーランド、ネパール、ノルウェー、バングラデシュ、パラグアイ、パレスチナ、ブータン、ブルガリア、ブルンジ、ベナン、ホンジュラス、マカオ、マリ、マルタ、ミクロネシア、モナコ、リベリア、リトアニア、ルワンダ、ロシア(サハリン州、北海道からの入国者に対し隔離措置を実施)

★今後渡航制限、禁止措置を実施する可能性がある国

アメリカ

以上が対象国となりますが、かなり多くの国と地域が実施していることが分かります。特に太平洋やカリブ海などの島国や医療機関が脆弱な途上国が厳しい措置を実施しています。この情報はかなり流動的であり、今後上記のような国と地域は増える可能性がありますので最新の情報には十分に気をつけてください。詳しくは下記外務省の資料を御覧ください。

型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限)

 

② 差別

日本人含む東アジア人に対する差別行為が後を絶ちません。アジア人差別は以前から世界各地で見られましたが、新型コロナウイルスによってさらに悪化しているようです。②に関しては、日本国内にいる人よりは現在海外で旅人をやっている人が対象になります。

実際に欧州等の国で非道なレイシストたちがコロナウイルスを口実に無関係なアジア人を暴行したり、現地語が分からないと考えて平気で差別的暴言を吐いたりし、さらにアジア系が経営しているお店を襲撃するなどの事件も起きています。中にはコロナウイルスの発生源が中国の生鮮市場だという情報が広まってからは、SNS上でネズミやコウモリ等を食べている中国人の動画をわざわざ上げて食文化を嘲笑する人まで現れました。

未だにこうした差別行為がある事自体が(それもいい大人が)嘆かわしいですが、残念ながらこのような輩が世界中にはまだ存在しているのが事実です。彼らは一体歴史から何を学んできたのでしょうか。

この状況ですから、我々旅人も例外ではなく上記のような差別行為に遭遇する可能性はゼロではありません。もし旅先で差別された場合どう対応したらいいのでしょうか。

一番の対策は、「無視をする、相手にしない」に限ります。被害に遭った時はショックを受けると思いますが、冷静に見るとこの手の差別行為の大半は低レベルなものであり、子供同士のいじめと何ら変わりはありません。「〇〇菌がうつる〜」的なアレとほぼ同等です。逆に反論したり反応すれば相手の思うツボですし、最悪の場合は逆上して暴行事件に発展する可能性もありえます。「コロナ!コロナ!」とからかって相手の反応を楽しみたいだけの哀れな連中の相手にする必要はありません。堂々としましょう。今となっては彼らだって感染者になる可能性はあるのですから。

 

③ キャンセル等による経済的損失

すでに多くの国と地域で日本人に対する渡航制限措置を実施していることは先述の通りですが、それに伴い最も影響が出るのは、旅行のキャンセルと中止でしょう。特にこの時期なので卒業旅行を計画していた人も多かったでしょうし、泣く泣くキャンセルして中止を余儀なくした人がいることは想像に難くないですね。その中で、最も気になるのはキャンセルに伴う返金の有無です。

返金が可能な商品でしたら、予約した旅行会社にキャンセルの連絡をして返金処理を依頼すればいいのですが、問題は格安ツアーやLCC等の格安航空券、オンライン限定のセール品を予約した場合。

これらの大半が予約を確定した時点で返金不可である場合が多いのはご存知だと思います。格安は魅力的ですが、安い故にこうした有事の際に経済的に損するリスクが伴います。いくら格安とはいえ、旅行費用は決して安い出費ではありませんので中止にした際の経済的損失はかなり大きいです。今年もGWなどの大型連休が控えていますが、お財布のためにも今は予約はやめたほうが良さそうです。

とはいえ、予約不可の商品でも海外旅行保険や条件によっては払い戻しできる場合もあるので、落ち込む前にまずは旅行会社や航空会社に確認してみましょう。

 

以上です。簡単ではありますが、新型コロナウイルスの流行の際に旅人が最低限留意した方が良いことをまとめてみました。

現段階では制限していない国でもいつ渡航制限措置を取ってもおかしくない状況。仮に入国できたとしても、隔離措置や検疫観察等で行動制限がかかるので計画が大幅に崩れるのは明白です。旅の良さと魅力を配信することがモットーの本サイトでこんなことを伝えるのは大変心苦しいですが、当分の間は海外旅行は自粛するのが賢明だと思います。自分と周囲の大切な人達の健康と安全、経済を守るためにも。

一日でも早く新型コロナウイルスの流行が終息し、以前のように旅を楽しめる日々が戻ることを祈るばかりです。

本当に早く終わってくれないかな….