中東がとんでもないことになりました。
2月28日に、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が開始されてしまいました。年末年始の政府に対する抗議デモあたりからかなりきな臭い状況でしたが、まさかこんな状況になるとは。
さらに最悪な事態も起きています。イランによるUAEやカタールへの攻撃。おそらく米軍基地があることからアメリカへの報復として襲撃しているようですね。平和でかつリッチで華やかなイメージがあるこれらの国へ飛び火するとは誰が想像していたでしょうか。これにより、現状何が起きているかというと、空の便の中東経由がほぼ全滅状態になったこと。これはつまり何を意味するのかというと、海外旅の手段がかなり限定的になったことでしょう。
特にヨーロッパやアフリカ、中東へ旅をする際にドバイ、ドーハ、アブダビ経由は最も使われているでしょうし、巨大ハブ空港の役割を果たしていることから、使ったことがある人もいるでしょう。実際、今回の戦争によってこれからの旅行が中止になったり台無しになった人も多いでしょう。
さらに驚愕したのは、SNS上で「新婚旅行が!」「卒業旅行が!」と旅行がキャンセルになった人が湧いて阿鼻叫喚になっていたこと。そりゃそうだろう。決して安くない金額を払い、何ヶ月も計画を立てただろうからショックを受けるのは無理はない。ただ呆れているのは、この期に及んで自分の旅行の心配ばかりしている人の多いこと。それはまあ、こうなることを想定していない人も多いでしょうから、そこは仕方のない部分ではあると思います。
私が個人的に呆れているのは、今までイランとか中東のことを見向きもしなかったくせに、まるで評論家の如くイラン情勢のことを上から目線で語り、「分かってない」と他人を批判する連中です。「私は分かってますよ?」という面をしていますが、あんたらも同罪ぞ?
あんたらイランに一回でも関心を持ったことがある?イランに行ったことある?まさか戦争になってから語り出したとかじゃないでしょうね。まるで今まで見向きもしなかった芸能人を、亡くなってから急に追悼ポストを投稿するみたいな感じ?だとしたら二度と国際関係を語らないでいただきたいですわ。
おっと、すみません。つい本音が出ちまいました。
そこで、本記事の本題としてこのご時世に旅行に行く場合のリカバリ方法と、メンタルを保つ方法を順を追って説明していきます。ではスタート!
① トランジットの代替案について

ヨーロッパやアフリカ、中東、南米などへ旅に行く時、多くの人が中東経由を使うと思います。
エミレーツ航空のドバイ経由、カタール航空のドーハ経由、エディハド航空のアブダビ経由がメインになるのかな。便利な上に値段も安くクオリティも高いことで定評がありますね。私もこれらの便はよく使っていましたし、ワーホリ、イラクやヨーロッパ周遊の時も中東経由でした。
しかし、前述通りイランで戦争が勃発して以降、これらの便が使いづらくなったのは事実です。
となると代替便を探す必要があります。使えそうな代替便は以下の通りです。
※下記の一覧表は2026年3月現在の内容となります。運航状況は変動するため、最新情報は各航空会社のホームページで確認してください。
| 経由地 | 航空会社 | メリット | デメリット |
| シンガポール | シンガポール航空 | 就航都市が120以上とダントツ。代替案としては最適解。 | オンシーズンは値段が上がりがち。中東経由の代替案として需要が高まってるため値段が高騰している。 |
| イスタンブール | ターキッシュ・トルコ航空 | 比較的安く、現時点ではまだ運航している。 | 地理的に中東と近いため安全上のリスクがゼロではない。 |
| ヨーロッパ直行 | ヨーロッパ系航空会社の直行便(ルフトハンザ、エールフランス等) | ヨーロッパに直行で行けるため、時間を有効活用できる。 | とにかく値段が高い。その上サービスが微妙。お金に余裕がある人向け。 |
| 上海、北京 | 中国系航空会社(中国東方航空、中国南方航空等) | 値段が圧倒的に安い。あと、運航数が比較的多く、ロシア上空を飛ぶことがあるため、時間が短縮可能。 | 昨今の情勢の影響で運航状況が不安定なため、急な欠航、遅延のリスクがある。 |
| アディスアベバ | エチオピア航空 | 情勢の影響が比較的少ない。意外とトランジットとしての需要があり、ボレ国際航空はアフリカ最大のハブ空港である。 | 乗り継ぎやチェックインが混雑しているため、時間がかかることが多い。あと遅延もやや多め。成田行きは直行便ではなく実質仁川経由になる。 |
| 香港、ソウル | キャセイパシフィック航空、アシアナ航空、大韓航空等 | 欧州直行便も豊富のため、代替案として最適。サービスもトップクラス。 | 中東情勢により、値段が高騰している。 |
| 中央アジア各地 | 中央アジア系の航空会社(ウズベキスタン航空、エアアスタナ | 日本からの直行便がある。また、情勢の影響が少なく、ヨーロッパ行きも就航している。 | 便の本数が少ないため、乗り遅れた時のリカバリが厳しい。 |
| バンコク(スワンナプール空港) | タイ国際航空 | 日本からの直行便あり。就航都市も多いため、トランジットとしても使いやすい。 | トランジットの時間が長め。時間がある人向け。中東経由の代替案として需要が高まってるため値段が高騰している。 |
| 北米各地 | ユナイテッド航空、日系航空会社(JAL、ANA)、デルタ航空、エアカナダ等 | 情勢の影響が少なめ、スケジュールの確実性が高い。 | 所要時間が20時間以上かかる上、距離が長いため値段が高くなりがち。また、アメリカはESTA、カナダはeTAが必須。アメリカが指定しているブラックリスト国(イラン、イラク、キューバ等)に渡航歴がある人は利用が難しい。 |
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② メンタルを保つ方法

この戦争の影響で計画していた旅行が台無しになり、精神を病んでしまった人も少なくないと思います。そんな時のメンタルを持ち直す方法をお伝えしたいと思います。
その壱! 命が助かった、帰れなくなるよりマシと思うこと。
高い航空券のお金が無駄になったのは非常にお気の毒様です。
気持ちは分かりますが、少し厳しいことを言うとSNSで嘆いたり、お気持ち表明をしたところで航空券の料金が戻ったり旅行に行けることはありません。このような戦争による欠航、キャンセルの場合は免責で海外旅行保険の対象外になることがあるからです。(※航空会社によっては返金対応が可能な場合もあるため、一度航空会社に問い合わせてください。)
ではこの行き場のないこの気持ち?どうしたらいいかって?
まあ、とりあえず行って帰れなくなるよりはマシと思うしかないでしょうね。まあドンマイ。
と言うのは冗談で。とにかく、命以上に大切なものはありません。あなたが危険を冒してまで旅をして巻き込まれれば家族と友達が悲しみます。だから、行かないと言う決断はあなただけでなく、周囲の人も救うことになるのです。
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その弍 情報を徹底的に調べる!
イラン攻撃による中東情勢の悪化により、不安に思う人が多いのは当然でしょう。この時注意すべきなのは、有事時にSNS上に蔓延するデマ情報や不安を過剰に煽る書き込みです。
これは東日本大震災やコロナ禍の時でも問題になりましたね。こう言う時に特に大事なのは、
- 情報源はどこか?
- 誰が言い出したか?
- 事実、根拠はどこにあるのか?
とにかく、情報を徹底的に精査することです。鵜呑みにして感情に振り回されるのではなく、信頼できる情報源を自分で探して情報収集を正しく行いましょう。少し辛辣なことを言いますと、不安や恐怖というのはつまり、
無知から来ているのではと私は思います。
よく知らないから不安になる。調べようとしてないから恐怖を感じる。よく調べようとしないで不安になる方があまりにも多すぎます。不安がる前にまずは調べましょう!その手に持ってるスマホは何のためにあるのでしょうか。正しい情報は時に強力な武器となりますから。
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その参 行き先の代替案を考える
中東経由が使いにくくなったとはいえ、旅行に行けなくなったわけではありません。
SNSを見るとヨーロッパ等に行けなくなったと思っている人がいるのですが、中東経由さえ使わなければ普通に行けます。
もし、これから海外旅行に行くとすると以下の行き先が一番現実的で比較的安全だと思います。
* 東南アジア諸国(タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム等)
* 東アジア諸国(韓国、中国(※情勢要注意)、モンゴル、香港、マカオ)
* 中央アジア(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス等)
* インド、バングラデシュ、スリランカ、モルディブ
* 中南米(メキシコ、ブラジル、アルゼンチン等)
* 北米諸国(アメリカ、カナダ等)
* オセアニア諸国(オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア等
ヨーロッパやアフリカ諸国も別ルートを検討する場合は、渡航はできますがこれらの地域って割と中東経由に依存している傾向があるため、代替が難しいところです。
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番外編 自動化ゲートの罠

本筋とかなりズレる内容になりますが、超重要な話になるのでぜひ一読ください。
数年前から出入国審査が自動化されましたね。今までは審査官の前に並んでスタンプを押してもらったのが、ゲートを通るだけでそれらが完了できてしまいます。しかも短時間で終わるので列に並ぶ時間も短縮されて空港時間も快適に過ごすことができます。ただ、スタンプ自体は無くなった訳ではなく、自動化ゲート通過後も目の前にいる審査官に言えば押してくれます。
実はそこには決して無視できない罠があります。それは、
スタンプを押さないことで、旅先での出入国で思わぬトラブルに発展することです。
多くの先進国で出入国の自動化が普及しつつありますが、発展途上国等ではその辺がまだ進んでいないことが多く、審査官による出入国審査&スタンプといったアナログで行われることがほとんどです。そこで、自動化ゲートに甘んじてスタンプをスルーしたらどうなるのか?自動化が未普及の途上国や陸路での出入国審査でスタンプがないことで「日本のスタンプがないのはどういうことだ?」と問い詰められ、出入国に影響が出るリスクがあります。最悪入国拒否されることもあるでしょう。
それなのに、なぜか自動化ゲートを通ってそのまま終わらせる人があまりにも多いこと。その光景を見るたびに「スタンプスルーする人多いけど大丈夫か…?」と思ってしまいます。先進国中心に渡航する人はそこまで影響はないと思いますが、途上国や複数の国を陸路で越境する方の場合はスタンプは必須になります。なので個人的には、
自動化ゲートで出入国審査を済ましても、必ず審査官に声をかけてスタンプを押してもらう
ことを徹底した方がいいと私は思います。
まあ、自分の旅の記録を残すという意味で押す人もいると思いますがそれ以上に、実務的な意味でスタンプは押した方がいいでしょう。
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以上となります。
私自身も8年前にイランに旅をしましたが、旅先としては本当に最高の国なんですよ。それ故に、今回の攻撃は心が痛いですし1日でも早く終わることを祈らんばかりです。
イラン旅行記も絶賛公開中です。かなり古い記事ですが興味があれば是非。
2017年12月23日~24日、25日 イランまでの道のり&マレーシア・クアラルンプール一日プチ観光
2017年12月25日 イラン・テヘランからイスファハーンへ
2017年12月26日 イラン・イスファハン 「イスファハンは世界の半分」
2017年12月27日 イラン・イスファハン 「世界の半分」の街は夜も幻想的だった
2017年12月28日 イラン・シーラーズ 古都から新しい街へ
2017年12月29日 イラン・シーラーズ 色とりどりなイラン
2017年12月30日 イラン・シーラーズ ペルセポリスの巻
2017年12月31日 イラン・テヘラン イラン最終日
イランでは人との出会い、触れ合いが多い非常に暖かい旅でした。
ここで出会いお世話になった人達が、どうか無事でありますように….
以上です。それでは。

