夜行バスがノーンカーイを出発してから約12時間。バスは朝の7時ぐらいにチェンマイに到着した。清々しいぐらいに晴れていた。バスターミナル周辺は野犬がやや多めだったが、穏やかな雰囲気が漂っていた。チェンマイは日本でいう京都にような街、つまり古都。今日はどんな一日になるのか楽しみだ。
早朝であったためか、バスターミナル周辺は静けさが支配をしていた。
トゥクトゥクを捕まえ、宿まで移動。料金は110バーツ(約390円)で距離の割には安かった。人生初のトゥクトゥクは思っていた以上に楽しく、風が当たって気持ちよかった。
ピン川(で合ってる?)が穏やかに流れていた。宿に到着後、暑さで大量の汗を流してしまったのでシャワーを浴び、早速チェンマイを散策するとこに。
宿の近くにあった日本語表記のアパートメントホテルの広告。非常に流暢で丁寧な文章である。日本人が経営しているのでは、と疑うレベルである。
やはりタイも暑期のためか、非常に蒸し暑い。犬もバテている。
近くには寺院があった。ワットモークローリ寺院という。
こちらは16世紀ごろに建てられたらしい。実は結構古く歴史がある。
シンプルなデザインだが、見ごたえは十分にある。
外観も迫力がある。町会やモスクは過去の旅で何度か見たことはあるが、こうして寺院をじっくり見るのは初めてである。
入り口付近には像のオブジェがあった。一番右の像はなぜ不自然にしゃがんでいるのでしょうね。もしかしてう○こでもしているのか笑?
少し歩いただけでかなり暑くなり、昼食兼休憩をするためにKad Buan Kaenショッピングモールに入ることにした。ここはラオスとの国境付近で会ったタイ通のN氏に教えてもらったところである。
一見するとショッピングモールには見えないが中は多くの店が軒を連ねている。
中は結構しゃれていた。1階までは。午前中のためか、客は少なめ。
偶然目に入ったレストランで軽く朝食兼昼食を取ることに。料金は日本円で300円ほどで大変安く結構美味いが、右上の野菜カレーは超絶激辛でペットボトルの水を3本ぐらい飲み干してしまった。タイカレー恐るべし。
レジ袋削減を呼びかける看板。タイでもエコ活動は進んでいる模様。
4階ぐらいにあったゲームセンター。閑散としている。
操り人形の何かだろうが。曲に合わせて人形が踊りだすみたいな?ピノキオ以外は知らない。
日本から来たと思われるレースゲーム。なぜか文字が逆に表示されている。
見た目からしてかなり年代物だと思われる。
こちらも日本からやってきた仲間。実はタイなどの東南アジア諸国のゲームセンターには、日本のゲーセンで用済みになったゲームや乗り物が輸入され、現役で稼働しているのだ。まあ、お下がりみたいなもんだね。
これは日本出身ではないが、いてはいけない某キャラクターが小生意気な顔で「Let’s Go」と言いやがっている。
ここにもいてはいけない某キャラクターが憎たらしい顔でバスケットボールを抱えている。
日本からやってきたバスの乗り物。わざわざタイまでご苦労様。
食事と休憩が終わったので再び外に出て散策を開始。ミニバス(正式な名前は知らない)のおっさんに声をかけ、チェンマイ門まで移動した。
乗り心地はイマイチ。だが100円近くでのれるので コスパは良い。
次に訪問したのはワット インタキン サドゥムアン。こちらは先ほどのとは異なり、きらびやかである。
博物館があったが入らなかった。
丁寧に日本語表記もあったがなんか惜しい。しかもなぜか中国語だけフォントがおかしい。
内観はさらに派手さを極めていた。中では参拝客が正座をしてお祈りをしていた。さすがは信心深いタイ。地元民にとっては特別で神聖な場所であることを改めて知った。
チェンマイ門内の通り。ここにはレストランやタイ式マッサージ店などの観光客向けのお店が軒を連ねていた。
通りを歩いていると、マンゴーがたわわに実っていた。
次の訪れたのは、ワットサムパオという寺院。だいぶ目立つ外観だが、観光の目玉というほどではなさそう。
それでもこんなに立派である。歴史もありそうだ。
見ざる聞かざる言わざるの坊さんバージョン。なんかかわいい。
ひときわ目立つ金ぴかの塔。
よく分からないが、これも参拝の対象だろうか。
路地裏は独特の風情がある。人は少なめだから夜は危険だが。
チェンマイの旧市街は城壁で囲まれており、東はターペー門、南はチェンマイ門となっている。1985年に修復された。その周辺では、夜になると屋台やマーケットが開かれる。
この時はターペー門に来ていた。
なんて書いているかは分からないが、写真の人物が国王だということだけは分かる。
少し日が暮れてきたので、明日のゴールデントライアングル行きと、メーソート行きのバスのチケットを買うためにグリーンバス(タイの主要なバス会社)のチケット販売所に行くことに。2日のメーソート行きのチケットは無事に購入。次にゴールデントライアングル行きを予約しようと、調べてもらったが、残念ながら空席はゼロ。はい?いや、ここは少し冷静になろう。他のバス会社では空席があるかもしれない。そう開き直り、グリーンバスは諦めてバスターミナルに向かうためにトゥクトゥクを捕まえて出発した。ちなみにグリーンバスはタイ国内では人気の高いため、特に人気の行先を利用する際は早めに予約することをおススメする。
バスターミナルに到着後、トゥクトゥクの兄ちゃんに協力してもらい、一緒に空席を探してもらうことにした。ところが、どのバス会社も答えは同じだった。なんてことだ!特に朝出発はすべてのバス会社も満席であった。「いや、そんなはずはない、他も当たればいけるはず!」とむきになった私は、兄ちゃんにもう一度お願いをし、再度探すことにしたものの、結果は同じだった。「もう全部のバス会社に聞いたけどもうすべて売り切れだったよ。諦めよう。」と兄ちゃん。どういうことですかね?世界中がゴールデンウイークなんですか?
ゴールデントライアングルは今回の旅のメインの一つ。ここで諦めるしかないのか….
激しく落胆する私。さすがに見かねたのかトゥクトゥク兄さんがついにこんなことを言い出した。
「そんなに行きたいなら、俺の友人に頼んで専用車で連れて行ってあげてもいいけど?」
え、マジで?最初はこの人何言ってんだ、と思ったが、本来はゴールデントライアングルは今回の旅の目標の一つ。ここに行かずに帰るのはどうも具合が悪い。どちみちバスも満席だし、そうなればその言葉に甘えて連れて行ってもらおうではないか。そう考えると、その友人に払うことになる高いガソリン代が大したことのないように思えた。何、同額のツアーに参加したと思えば良い。その方法で決定した事でお互いに安堵し、明日の6:30に宿の前で兄ちゃんとその友人と合流することを伝えた。気が付けば19時が過ぎていた。チェンマイ門まで送ってもらい、この日はここでお別れをした。
屋台はすでに始まっていた。安心してお腹も空いていたので念願の屋台飯を頂くことに。
屋台では食事だけでなく、様々な食品や食べ歩きができるものも販売されていた。
何よりも屋台の魅力は安くて美味しいタイ料理が手軽に食べられること。
今回食べたのはタイ名物のガパオライスとトムヤムクン。二つ注文しても300円。最高。
注文方法は店前で口頭で行う。クレジットカードの使用は不可なのでご注意。
イートスペースで屋台の賑わいを眺める。欧米系の観光客が多めかな。
チャーンというタイのポピュラーなビール。口当たりが良く飲みやすい。
本場のトムヤムクンを堪能。量も多く辛さも味も美味い。この緑の草はもちろんパクチー。私はパクチー苦手だったが、これは不思議と食べられた。てか、意外といける….笑
ガパオライスもボリュームがあって美味しかった。本当に300円でいいのかと疑うレベルで屋台飯はクオリティ高い。
屋台でのんびり過ごしていると、気が付けば2時間進んでいた日本では平成という時代に終わりを告げ、新たな時代である令和に突入していたのだ。そう、つまり私はタイという異国でその時代の転換点を迎えたのだ。こんな感慨深いこと今まであっただろうか。
私は平成生まれなので時代の転換点を迎えたことがなかったのだが、生まれてから今に至るまで、自分で言うのも難だが様々な波乱の人生だった。消えてしまいたいぐらいに苦しい時期も幾度かあった。でも今はこうして大学院まで進学して好きな研究に6年間の時間を捧げ、世界を一人で旅し、社会に出て仕事をしている。自分では全く前進してないように見えても実はこうして少しずつ、そして確実に成長しているというのも事実である。
時代は令和になったが、それでも私は変わらずに旅を続けていきたいし、それを糧に自分の人生をさらに有意義にしていきたい。
今までの人生に想いを馳せ、新時代への決意を抱きながらタイビールの最後の一口を飲み干した。
今日はここまで。次回はゴールデントライアングル編を書きます。