2018年8月15日、16日 大連去り、帰国へ。しかし….

アジア諸国

8月15日、ついに来てしまった帰国日。この日の天候はイマイチだった。腹痛はまだ続いていた。今にも雨が降りそうな感じ。早朝に宿を出て地下鉄で空港に向かう。しかし、始発がまだのためか、地下鉄の一部ではまだ封鎖しているらしく、警備員に止められた。英語で「急いで空港に向かわないといけないんです」と言っても通じない。さて、どうする。ここで、メモに「友好広場」と書いてそれを見せたら、「まっすぐ行って左にある別の入り口は入れるからそこに行きなさい」と教えてくれた。一安心。したのも束の間、手荷物検査で「このビン類はなんだ」と指さし、バックパックを開けろと言われた。何が問題だろうと開封したら、女警官が昨日購入した酒類を指さした。そしてなんと、日本に持ち帰る予定だった大連ビールを没収すると言い出したのだ!しかも不思議なことに白酒は良いらしい。基準がよう分からん…。度数はこっちの方が高いんだが。

納得がいかなかったので抵抗したが聞いてくれず、結局白酒が残り、大連ビールだけ没収された。自分が飲みたかっただけじゃねーのか、クソったれがぁ~。それとも私が車内で飲むとでも思ったのか。そこまで飲兵衛じゃねえぞ失敬な。

空港到着。出発時間が10:50頃なのでまだ載っていない。それまで朝食を食べながら搭乗時間を待つ。外は暗くなり、だんだん雨が強くなってきていた。

10:00過ぎたころ、本当なら搭乗する時間のはずだが、一向に放送が流れない。嫌な予感。そしてそれは的中し、遅延することになった。最初は2時間の遅れと言っていたのでそれを信じたが、その時間は段々長くなる一方だった。そして外は嵐になっていた。天候不良が原因らしいが、納得いかなかったのがほかの便は通常運行(他の日本行き含め)しているということ。後から知ったのだが、大阪方面には台風が来ていたらしくそれが遅延の要因となったという。

気が付けばお昼が過ぎていた。

ついに大阪行きの乗客限定で弁当が配布された。腹は痛かったが、お腹は空いていたのでやっと食事にありつけると思って喜んだが、味はクソマズかった。しかも何?なんでご飯の上にエビがのってるの?なんで昆布にボロニアソーセージ?組み合わせが全く意味不明すぎる。しかも最悪なことに2回目の食事の時も全く同じこれだった時のガッカリ感は説明がしがたいものがあった。一回目は無いよりマシと思って完食したが2回目はさすがに残した。

お昼が過ぎたころ、遅延時間はさらに長くなる一方だった。乗客の苛立ちもピークに達し、搭乗口には苛立つ乗客が殺到し、怒号が飛び交うなど殺伐としていた。この時、同じ大阪行きに乗る日本国籍の中国人の男子高生に話しかけられ、しばらく一緒に行動していた。彼によると、搭乗口では「どうなってんだ!何とかしろ」「これから大事な仕事があるんだよ!何とかせんか!」と乗客たちが怒っているらしく、それに対しスタッフは謝るどころが「私は悪くない」と開き直る有様だったらしい。これが日本人だったら航空会社の一員である責任として「申し訳ありません」と謝罪をするのだが、まったく逆の対応だと思った。「天候不良は自分のせいじゃないから謝る道理はない」といった感じだろうか。必要以上に組織に縛られない、個人主義を貫く中国らしい一面が垣間見えた。

待つこと7時間後、最悪のアナウンスが流れた。

「大阪行きの便は、欠航となりました」

まさかの欠航!しかも大阪行きだけ….どうして….

次の日は仕事だったが、帰れなくなったのは仕方がないので、とりあえず職場に謝罪メールを送った。

ここからどうするのか、と不安になったが、大阪行きの乗客向けに近くのホテルを手配してくれるらしい。例の男子高生が教えてくれた。助かった。送迎バスもあるらしく、ホテル代も航空会社が負担。当然だろう。しばらく待っていると、バスの案内が来た。

全員が一斉にバスに乗車。この時すでに雨が止んでいた。もう飛行できたのでは、と思ったがぶつぶつ言っても仕方がない。

宿泊したホテル。ホテル自体は航空会社負担で宿泊できるが、1部屋2人という条件らしく、1人で宿泊したい場合は自費という。それは見ず知らずの人と部屋が一緒になることを意味していた。それが嫌なら自分で払えということのようだ。中国人で英語が通じない人だったら気まずいだろうなあと思ったが、幸い私と一緒になったのは日本人の若い女性だった。その方は中国に留学した経験があったので中国語は堪能だった。なのでホテルのスタッフとの会話は完全に彼女にまかせっきり。中々感じの良い方だった。

シャワーを浴びている間にこの女性がコンビニで買ってきてくれたハルビンビール。疲れた体にはやっぱビールだよね!出会いに感謝して乾杯した。見ず知らずの人だからどうなるかと思ったが、結構話が盛り上がった。これも欠航がなかったらできない体験だと思う。気が付けば腹痛を忘れていた。

集合時間はなんと5時!早くね?ということは起床時間は3時…..あまり夜更かしはできないと思い、残念だが話を止めてすぐに寝た。そして就寝中、腹痛をぶり返して何度もトイレに行っていた。やっぱり腹壊している時に酒は飲むもんじゃないな….さすがに反省。

3時に二人とも時間通りに起床し、支度をして5時にバスの前に集合した。この時、中国人の男子高生とこの女性と3人で一緒にバスに乗り、空港の待ち時間の間にしりとりをしたりして気が付けば仲良くなっていた。だが、昨日の疲れが祟ったのかこのときの私の体調は悪く、げっそりしながら空港で待っていた。空港の手配は思ってたよりも早く、7時には無事出発できた。

最後の機内食。少し体調が戻ってきたので何とか食べた。カレー味の何かと海藻みたいなやつ。朝食とは思えないもったりとしたメニューだった。

午前10時、ようやく大阪に到着。同時に一緒にいた男子高生と留学生の女性とはここでお別れをした。短時間だったけど楽しかったよ、ありがとう。まだ午前中だったので最初は仕事に行こうと思い、職場に電話をしたが「欠航になって大変だったね。疲れてるでしょうから今日はもういいよ。明日から来なさい」と言ってくれたので言葉に甘えて休ませていただいた。

帰国後に丸亀で食べたうどん。だしの味が疲れた体を癒してくれた。

お土産の白酒。甘味が強かったが、飲みやすかった。

最後はトラブルで終わってしまったが、濃厚な5日間だった。また行きたいなあ、中国。

大連編はこれで終了です。ありがとうございました。