2017年2月28日 ボスニア・ヘルツェゴビナ モスタル日帰り

スタリ・モスト(加工後) ボスニア・ヘルツェゴビナ

B&H二日目は、観光地となっているモスタルに行くことにした。モスタルは、平和の橋が有名で、エメラルドグリーンの美しい川との風景が絶景。

サラエボからはバスの場合、片道で1時間40分ぐらいで一日に何本か出ている。料金は片道17マルクだが、往復で買うほうがお得。

私は8時15分のバスに乗った。しかし、中心地からバスターミナルまでは割りと離れており、徒歩でいけなくはないが20分以上はかかる。いちいち歩いていたら間に合わないのでトロリーバスを使うことに。宿からバス停はすぐ近くだったのは幸いである。バスターミナル方面は1番系統に乗ろう。間違っても2番、9番には乗ってはいけない。

トロリーバスのチケットはバス停の前にある売店で購入が可能なので必ず買おう。それは何故かと言うと、バスには時々検札が乗るらしく、チケットの提示を要求される事がある。その時に無賃乗車をした場合、高額な罰金を科せられるなど大変なことになるからである。

トロリーを待つこと数時間、中々1番系統が来ない。このままではバスの時間に間に合わない。と言うもの、旧ユーゴでは高速バスの時間はやたらと正確だからだ。サラエボは交通量が多く、いつも道が混んでいるため、トロリーも遅くなりがちになる。

そしてようやく1番が来た。しかし、朝方で通勤ラッシュのためか、だいぶ混雑していた。スリ防止のためリュックを前に背負って十分過ぎるほどの注意を払う必要がある。

 

ギリギリだったが、何とかバスターミナルに到着。モスタル行きと書いているが、いつくかの街で停車するようだ。

8時15分、定刻通りバスは出発。席はそこそこ埋まっていた。バスは進んでいくものの、何度も停車する上に、なぜか高速を使わず一般道を走り続けた。高速代をケチっているのか知らないが、ずっと険しい山道を走っていく。時間がかかるのもなんだか納得がいく。

時に断崖絶壁な道路を渡ることもあり、「この時横転したらどうしよう」とか余計な心配をした時もあった。一方でこうした山道の一部には赤いドクロマークの張り紙が貼られていた。おそらくそれは不発の地雷が埋まっている事を意味しているのだろう。

 

10時40分頃、モスタルに到着。ターミナル周辺は比較的静かである。

 

売店にあったDVD達。いつから置いているんや、というぐらいにパッケージが色褪せていた。

 

道は分からなかったので多くの人が向かう場所に行ってみた。特に観光客っぽい人達を手がかりに。しばらく歩いて行くと商店等が並んだ大通りが見えてきた。どうやら旧市街地に近づいているようだ。

 

どんどん進むと道が石畳に変わっていく。旧市街に入っていったようだ。そしていよいよあのモスタルメインの平和の橋が見えてくるはずだ。

 

おっ、橋が見えてきたぞ

 

これが平和の橋である。正式名称はスタリ・モスト(古い橋)。歴史は16世紀までに遡ることができる。当時オスマン帝国のスルタンであったスレイマン1世が吊橋の代わりに建設を命じたのが始まりであり、8年かけて完成させた。20世紀まで残っていたが、ボスニア内戦でクロアチア系の民族主義者によって一度破壊されてしまう。しかし、その後再建されて2004年に完成し、そのセレモニーが開催された。これが後に和解へのきっかけとなり、「平和の橋」と呼ばれているのはそのためであろう。この美しい景色と重厚で存在感のある橋の裏には、深い歴史と悲しい過去が隠されていたのである。そういう意味では平和について考えさせられる。

 

エメラルドグリーンの川が非常に美しい。サラエボの川とは大違いだ。

 

スタリ・モストを通ってみる。結構坂道であるがここも人気の撮影スポットとなっている。オフシーズンにもかかわらず観光客は多く、特にこの日は中国人の団体客がいた。

 

スタリ・モストとはまた別に小さい橋もある。

 

きれいな川が台無し

 

橋を過ぎるとお土産屋が立ち並ぶ光景が見える。イスラーム的雰囲気が漂う。

 

モスクも見えている。

 

一方で内戦の爪痕が残る建物も存在する。これは銃で撃たれた跡。モスタルも内戦の激戦地の一つであった。

お昼が来たので食事をしようと雰囲気の良さそうなレストランへ。しかし、入ってみると、中国人団体客でほぼ埋まっていて彼らに独占されている状態であった。とてもじゃないが利用したらダメな雰囲気を感じたので退出し、別の所にすることに。二軒目であるTima Irmaというレストランに偶然入ったが、それが大当たりであった。注文したケバブが激ウマだった。

 

こちらがB&H名物のケバブ。料金は7マルカ(440円)で安くボリュームがあってコスパも最高。店員さんもとても愛想が良かった。このレストラン、後で調べて分かったのだが、トリップアドバイザーの2017年度レストランランキングのモスタル内で一位だったのである。これは納得っすわ。モスタルを訪れる方は是非。

 

サラエボ行きのバスは本数が多くないので15時発のバスに乗り、サラエボに戻ることにした。モスタル、とても穏やかでいい街だった。

 

戻った後トロリーバスで中心地に向かい、暗殺現場の橋近くで降りたらライトアップされていた。歴史的大事件の舞台だったとは思えないぐらい幻想的だった。

ではまた。